キャンプに潜む危険性とは?対策や事故事例もまとめて解説

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自然のなかでのんびりと楽しむキャンプには、普段の生活とは違うたくさんの危険性が潜んでいます。

さまざまな危険性があることを頭に入れておき、適切な対策をとることができれば、安全で楽しいキャンプになるはずです。

この記事では、キャンプに潜む危険をまとめて紹介します。

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目次

キャンプには危険がいっぱい

自然のなかで楽しむキャンプでは、次のような普段の生活では予想もつかない多くの危険が潜んでいます

ここから先では、それぞれの項目について詳しく解説するとともに、実際にあった重大事故の実例も合わせて紹介するので、安全で楽しいキャンプのためのご参考としてください。

テントを設営する場所に潜む危険

テント設営の場所選びは、命に関わる危険性をはらむほど、重大なポイントです。

今回は、とくに危険性が大きい、次の5つの「テント設営を避けたほうがいい場所」について解説します。

  • 吹きさらしの高台
  • 水場の近く
  • 崖や急斜面の近く
  • 木の近く
  • 水はけの悪い平地

それでは、ひとつずつみていきましょう。

吹きさらしの高台

吹きさらしになっている高台は、テント設営に適していません。

高台からの景色

せっかくテントを張るのであれば、見晴らしのよい場所に張りたいと思うこともあるでしょう。

しかし、見晴らしがよい高台は、周りに遮るものがない分、風の影響を受けやすいです。

突風が吹いたときに、テントが崩壊する恐れもあるので、注意してください。

ロッジ型テント

吹きさらしの高台にテントを張るのは、避けておきましょう。

水場の近く

川・海・湖など水場近くのキャンプ場は、景色もよく人気が高い場所です。

しかし、水場の近くにテントを張ることは、なるべく避けたほうがよいでしょう。

とくに川沿いは大変危険です。

川

川の下流では晴天で水位が低かったとしても、上流で豪雨があった場合、増水して急に水位が上がる可能性もあります。

実際に、川の中州にテントを張り、急な増水で取り残されてしまったり、テントが流されてしまったなどという事故の例は跡を絶ちません。

濁流

また、海の近くにテントを張ると、潮の満ち引きで浸水してしまう可能性も考えられます。

なお、湖の場合は、増水などに巻き込まれるような事故は起きにくいです。しかし、湖畔の斜面に停めておいた車が、サイドブレーキを引き忘れて湖にダイブしたという事故も実際に起こっています。

このようなことから、水場の近くにテントを張るときは、十分すぎるほど注意してください。

崖や急斜面の近く

崖や急斜面の近くは、崖崩れや落石などの危険性がたくさんあります。

とくに雨天時には地盤が弱くなり、いつ崩れ落ちるかわからないため、気をつけなければなりません。

また、仮に雨が降っていなくても、風や地震などの影響で、小さな石が転がり落ちる可能性もあります。

たかが小石でも、高いところから転がり落ちてくると思わぬ危険物になることも考えられます。

土砂崩れ

崖の脇や急斜面の近くは、風や他のキャンパーの視線を遮ることもできて、快適な設営場所のように思うかもしれませんが、テントを設営することは避けるようにしましょう。

木の近く

木々が生い茂った森林エリアは、強い日差しが避けられ、ハンモックなども設置できる絶好のテントサイトになります。

しかし、「1本だけ離れた位置に立っている木の近く」は、落雷の危険性が非常に高いため、要注意です。

大きな木

森林エリアのあるキャンプ場は高地にある場合が多く、天気が変わりやすいものです。

日中は晴天だからと安心していても、寝ている夜の間に、天候が急変する可能性もあります。

雷光

1本だけ木が生えている場所は避けて、なるべく木が密集したエリアを選ぶようにすると安心です。

なお、大きな木の下は、一時しのぎの雨宿りをする場所としても危険なので、避けるようにしましょう。

倒木の可能性

木の近くは、倒木の危険性があることも覚えておきましょう。

倒木

木々が生い茂っている場所でも、その中の1本が根腐れを起こしていた場合、強風などの影響で突然倒れてきて、下敷きになってしまう恐れがあります。

現に2023年春には、神奈川県のキャンプ場で、高さ約18メートルもの大木が夜中に1張りのテントの上に倒れしまい、中で寝ていた1人が死亡、1人が重症という倒木による事故がおきています。

参考元:倒木がテント直撃、女性死亡 夫も重傷 木の根元が腐敗 相模原 | 毎日新聞

根腐れしていても枝や葉っぱがしっかりとついていることも多く、樹木の専門家ではない限り、根腐れを起こしているか見分けるのは難しいです。

とはいえ、樹木の知識がない立場から見た場合でも、明らかに以下のような特徴の木がある場合は、テントを張ることは避けておくと安心です。

  • 新芽が生えず葉のつき方がまばら
  • 周りの木々と比べて葉が変色している
  • 落葉シーズンではないのに葉が落ちている
  • 周辺の地面が湿っている
  • 幹などにサルノコシカケなどのキノコが生えている
サルノコシカケ

水はけの悪い平地

平地の場合に注意したいのは「水はけの良し悪し」です。

テントサイトを中心に大きな面としてみた場合、「やや盆地になっている土地」や「粘土質の土壌」は、水はけが悪い可能性があります。

このような平地は、激しい雨が降れば全体が水浸しになり、最悪の場合だとテントを含めたすべてのキャンプ道具が水没する可能性があります。

水浸しの地面

テントを張る場所の水はけの良し悪しを見極めることは、安全で快適なキャンプを考える際に重要なポイントです。

火気の取り扱いに潜む危険

重大な怪我や事故につながる可能性があり、気をつけるべきなのが「火気の取り扱い」です。

ここでは、火気の取り扱いにおける危険な行為を紹介します。

テント内でコンロや燃料式ランタンを使う

ランタン

調理用のガスコンロや、ガスやアルコールなどを使う燃料式ランタンを、テント内で使用するのはご法度です。

その理由は以下の2つです。

  • 火災発生の危険性
  • 一酸化炭素中毒の危険性

それぞれの理由を詳しくみていきましょう。

火災発生の危険性

布など燃えやすい素材の近くで火を使えば、引火して火災が発生する恐れがあります。

また、万が一倒してしまうと、燃料漏れや延焼を引き起こす可能性もゼロではありません。

テントの布地自体には防炎加工されていたとしても、インナーテントなどの多くは燃えやすい化学繊維で作られていることがほとんどです。

インナーテント

燃えやすい素材の近くで火を使う場合は、より一層注意を払わなければいけません。

同様に、テント内での喫煙や蚊取り線香などの使用も、十分な注意が必要です。

下の記事では、テント内でやってはいけない危険な行為の詳細を紹介しています。ぜひこちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

一酸化炭素中毒の危険性

もうひとつは、「一酸化炭素中毒の危険性」です。

就寝時など、入り口を完全に締め切ったテント内で火器を使うのは、命の危険に関わります。

密閉空間で火を燃やすと、空間内の酸素不足となり不完全燃焼をおこし、一酸化炭素を発生させます。

この一酸化炭素は無臭・無色のため、知らぬ間に頭痛や吐き気、耳鳴りなどの中毒症状をおこし、最悪の場合だと死に至るケースもあるのです。

これを避けるためには、以下のような対策を徹底しましょう。

  • テント内では燃料式のコンロやランタンは使わない
  • やむを得ず使う場合には一酸化炭素チェッカーを使用する

整備していない火器を使う

コンロやランタンなどの、火を使用するキャンプ道具は、メンテナンス整備が重要です。

ガスバーナーの部品

燃料が流れる管やパッキンなどが古くなり傷んでいると、そこから燃料漏れをおこし引火する恐れがあります。これは重大な事故につながる可能性があり、たいへん危険です。

キャンプ道具のメンテナンスをついサボってしまうという方もいるのではないでしょうか。

ランタンやガスバーナーなどの火器は、取扱説明書やメーカーの公式サイトなどを確認して、しっかりと整備をおこないましょう。

不安定な場所で火を使う

フィールドは平坦な場所ばかりではありません。

そのため、焚き火・コンロ・燃料式ランタンなどの火器を使用する場所の安定性には、とくに注意してください。

テント内に置いたガスコンロ

仮にテーブルを使用していたとしても、そのテーブルを設置した場所が不安定だった場合、思わぬ拍子にテーブルが傾いてしまうことも考えられます。

とくに、ウルトラライト思考のキャンパーに人気のアルコールストーブなどは、危険と背中合わせです。

アルコールストーブ

アルコールストーブは、密閉されていない容器に燃料を入れて使用するので、万が一倒れてしまうとあっという間に火がついて、燃え広がる可能性もあります。

同様に、小さなコンロに大きな鍋をかけることも危険です。

ガスバーナーと鍋

ちょっとしたはずみでショックを与えてしまうと、鍋の中がこぼれて火傷につながる危険性もあります。

このようなことから、不安定な場所で火を使うことは極力さけるようにしましょう。

ガス缶の保管場所を考える

カセットガスボンベ(CB缶)やアウトドア専用のガス缶(OD缶)の保管には十分な注意が必要です。

OD缶とガスバーナー

これらのガス缶は、焚き火やコンロなど火の近くに置いておくと、高温になり内部の圧力が高まってしまいます。

とくに使用前の新しいガス缶は、中身がいっぱいまで充填されており、過度な圧力がかかると爆発する恐れがあります。

夏場など気温が上がる季節で、日差しの強い日中に車内に放置するのも非常に危険です。

直射日光にさらされた車の中は、想像以上の高温になり、爆発の危険性が格段に高まります

また、高温にさらされて内部の圧力が上がった結果、金属の継ぎ目がゆるんでガス漏れを引き起こす可能性もゼロではありません。

そうとは知らず、ガスコンロにセットして火をつけようとしたら爆発したという事故は、過去何度も発生しています。

ガス缶の輻射熱に注意する

ガス缶を使用する際は、使用方法にも注意が必要です。

カセットコンロなどに代表される、火口のあるゴトク部分とガス缶が近くにある構造のコンロの場合、ガス缶部分をおおう大きめの鉄板やフライパン、鍋を利用するのは避けなければなりません

ガス缶部分を覆うのはNG

なぜなら、火によって熱せられた鉄板などがガス缶を熱してしまい、爆発の危険性を高めてしまうからです。

同様に、2つ以上の複数のコンロで1つの大きな鉄板などを温めるようなことも、非常に危険ですので決しておこなわないでください。

カセットコンロ2台並べての使用はNG

ガスコンロで炭火に火をつける

バーベキューなどで使用する木炭は、なかなか火がつきにくいです。そのため、初心者キャンパーにとっては、火おこしに苦戦することも少なくありません。

着火剤を使ってもなかなか火おこしできないときについしてしまいたくなるのが、ガスコンロの炎で炭に火をつける方法です。

しかし、ガスコンロの上に直接炭をのせたり、網を敷いて炭を並べたりするのは、ガス缶が爆発する恐れがあるのでやめましょう

火がついた炭の温度はおよそ300~600度と、薪の比ではないほどの高熱になり、その輻射熱はあなどれません。

もしも火おこしがうまくできない場合は、ガストーチバーナーを使うなどしましょう。

ガストーチバーナー

道具を取り扱うときの危険

キャンプでは、さまざまなアイテムを使用しますが、取り扱いを間違えると非常に危険なものもあります。

ここでは、キャンプアイテムの取り扱いにまつわる危険性をご紹介します。

焚き火は火事などの危険と隣り合わせ

自然のなかで火を燃やす焚き火は、一歩間違えると山火事などの危険性と隣り合わせです。

焚き火

ナイロンなどの化繊素材のテントだと、ほんの少しの火の粉で穴が空いてしまったり、延焼してしまったりする可能性が高いです。

また、焚き火の炎が風にあおられると、自分のテントだけでなく近隣キャンパーのテントを燃やしてしまう恐れも考えられます。

以上のことから、強風の場合は、リフレクターや陣幕を利用するなどして、火の粉が舞い上がらないような対策をとるようにしましょう。

陣幕のメリットや選び方のポイントについては、下の記事で解説しています。

また、焚き火をする際には、ヤケドの危険があるため必ず手袋をしなければなりませんが、手袋の素材にも注意が必要です。

軍手などを使用する場合、素材によっては溶けたり燃えてしまったりする可能性もあります。そのため、できれば「革手袋」を使用することをおすすめします。

刃物は最善の注意で

ナイフなどの刃物類も、火器と並んで取り扱いに注意しなければならない危険物です。

薪割りの際におこなうバトニングは、見た目的にもかっこよく実用的な作業ですが、適切な方法でおこなわなければ怪我を負う恐れがあり非常に危険です。

バトニング

とくに斧などは、見た目のかっこよさだけで選んで、見よう見まねで使ってしまうと、重大な事故につながりかねません。

キャンプで刃物を利用する際には、正しい使用方法を学び、安全に配慮して使用するように十分に注意してください。

道具のチェックは怠らない

キャンプでは、一つひとつの道具が適切にメンテナンスされているかどうかが、緊急事態を回避できるかの境目になる場合もあります。

例えば、テントやタープを地面に固定するペグやロープが劣化していたり不備があったりすると、切れたり折れたりしてしまい、命の危険に関わることもあるでしょう

タープとガイロープ

また、調理中にテーブルや椅子の脚が急に折れてしまえば、火災やヤケドにつながる可能性があります。

買ったばかりの新しい道具は、キャンプではじめて使用するのではなく、あらかじめ自宅や近所の公園などで試しに使ってみることをおすすめします。

また、キャンプにいく前と帰ってきたあとには必ず道具のメンテナンスを兼ねたチェックをおこない、常に万全のコンディションを発揮できる状態にしておくようにしましょう。

服装に潜む危険

自然の中で快適に過ごすためには、季節や気温に合わせた服装を選ぶ必要があります。

ここでは、服装に関する危険性について解説します。

動きにくい服装はNG

テントやタープの設営など、体を動かすことの多いキャンプでは、動きにくい服装はNGです。

キャンプ中の男性

例えば、ヒラヒラした服や華美なアクセサリーなどは、木やキャンプ道具に引っかかる可能性があります。

また、砂地や砂利、雨でぬかるんだ地面などを歩くには、ハイヒールや厚底靴などは転倒やケガの危険がありふさわしくありません。

キャンプにいく際には、動きやすい服装を選ぶようにしましょう。

肌の露出に注意

山や川が近くにあるフィールドには、蚊・アブ・ハチ・ムカデ・ヒルなど、たくさんの危険な虫であふれています。

このような虫に刺されることを防ぐためには、できるだけ肌の露出を少なくすることが重要です。

可能であれば、長袖と長ズボンを身につけ、長めの靴下を履くようにしましょう。

また、焚き火の際のヤケド防止や、自然の中の強い日差しをさけることにもなりますので、夏場であっても肌の露出はできる限りさけたほうがよいです。

必要に応じて帽子を着用するなど、想定外の日焼けからも身を守ってください。

衣服の素材に注意

キャンプ初心者が見落としがちな服装の注意点として、「着用する下着の素材」があります。

冬場など、コットン素材の下着は一見あたたかそうですが、汗をかいてしまうとかえって体温が下がりやすく、ベテランの登山家には敬遠されがちです。

ただし、焚き火をする際に羽織るアウターの素材には、コットン素材が燃えにくくおすすめです。

焚き火を楽しむ人たち

それ以外にも、最近では保温性が高く乾きやすいアンダーウェアや、燃えにくく通気性の高い新素材のアウターなども販売されています。

このように季節やシチュエーションによって、その時々にあった素材の衣服を選ぶことも、余計な危険を排除するために重要なポイントです。

キャンプの服装で押さえるべきポイントは、下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

野生動物や自生している植物の危険

自然のなかには、さまざまな野生動物が生息しており、そのなかには一歩間違えると人の命を奪いかねない危険な生物もたくさんいます。

ここでは、そのような野生動物の危険性と、襲われないための対策について解説します。

動物に襲われない対策を取る

キャンプで野生動物たちからの被害を受けないようにするには、まずは彼らの生息地にこちらから必要以上に近寄らないことが重要です。

タヌキ

そして、就寝時に襲われる可能性を最小限にする対策も必要でしょう。

具体的には、食材はすべてフタの閉まるクーラーボックスなどにしまっておき、ニオイが外に漏れない工夫をします。

クーラボックスにボトルをしまう男性

野菜くず・食べ残し・生ゴミ・食材が入っていた袋などのゴミも、ゴミ袋に入れておくだけでなく、フタのついたトラッシュボックスなどに入れておきましょう。

WAQトラッシュボックス

また、食材を入れたクーラーボックスや生ゴミなどを入れたゴミ箱などは、就寝時にはテントの外に出しっぱなしにせず、必ずテントや車の中にしまっておくようにして、動物たちが寄ってこないように対策しておくことが大切です。

クマやイノシシは身近な危険

山のキャンプでは、クマやイノシシといった野生動物にも注意しなければいけません。

ツキノワグマ

高規格のキャンプ場では、野生動物への対策をとっているところもあります。

しかし、それでもキャンプ場に訪れた人の食料を狙って、山から降りてくることもあります。

2020年には、上高地のキャンプ場で、夜1人用テントの中で寝ていた女性が、テントごとキャンプ場内を引きずり回されたという報告もなされています。

参考元:上高地のキャンプ場にクマ、女性がけが 捕獲まで閉鎖:朝日新聞デジタル

ハチなどの虫にも要注意

クマやイノシシといった野生動物よりも、さらに身近にあるのがブヨやハチなどの虫被害です。

キャンプ場で注意したい虫は、主に次のような種類が考えられます。

・4・5月頃〜11月中旬にかけて活動する
・草むらや茂みは要注意
ブヨ(ブユ)・川や湖畔など水辺近くに生息する
・人の皮膚を咬んで吸血する
・3月から10月にかけて注意が必要
スズメバチ・7月〜10月は攻撃性が高くなる
・毒性が高く刺されると命に関わることもある
アブ・6〜9月にかけて水辺に生息する
・ハエのような見た目
・皮膚を咬んで吸血する
・二酸化炭素に寄ってくるため車の排気ガスにも注意
ムカデ・3〜10月の低地や低山はとくに注意
・テントや靴の中に入り込むことがある
・ランタンなどの光に寄ってくる
・蛾のなかでも、毒を持つチャドクガには注意
・幼虫(毛虫)は毒針毛が無数についており大変危険

こうした虫の被害にあわないためには、虫よけスプレーなどの忌避剤を使うのが有効です。

ただし、もっとも危険なスズメバチへの対策は、なるべく巣のある場所に近づかないことが重要です。

スズメバチの巣

万が一出会ってしまったときには、大声を出したりして刺激しないよう、静かにその場を離れるようにしましょう。

有毒植物の知識も身につけておく

自給自足を楽しむのもキャンプの醍醐味のひとつです。

キャンプ場やその周辺に自生している野草・山菜・キノコには食べられるものも多いですが、食べても安全な植物かを見分けられる知識がないと非常に危険です。

とくに「ドクツルタケ」などの毒キノコは、人の命を奪いかねない、危険な毒を持つ種類もあります。

参考元:自然毒のリスクプロファイル:ドクツルタケ(Amanita virosa) テングタケ科テングタケ属(厚生労働省ホームページ)

そのため、以下のことを心がけましょう。

  • 有毒植物の予備知識をつけておく
  • 必ず図鑑と照らし合わせて確認する

判断に自信がないときは「食べることをやめる」、または「専門家など詳しい人の意見を聞く」など、慎重な判断が必要です。

また、キャンプ場で生えている植物のなかには、燃やすと中毒症状が出るなど「焚き火で燃やしてはいけない種類」があります。下の記事では、その種類についてお伝えしているので、参考にご覧ください。

夏キャンプに潜む危険

キャンプをおこなう季節によっても、さまざまな危険性があります。

とくに気温などの条件が過酷な夏と冬のキャンプには、いくつかの注意点と対策が必要です。

まずは、夏キャンプの危険性から解説します。

熱中症に注意

気温が高い夏キャンプで、まず注意しなければならないのが「熱中症」です。

熱中症とは、気温が高い環境化で引き起こされる障害の総称で、なかでも「熱射病」は死亡事故にもつながりかねません。

熱中症を予防するには、以下のような対策をしておきましょう。

  • 水分をとる
  • 塩分を補給する
  • 長時間の活動をさける
  • 帽子をかぶる
  • 通気性の服装にする
  • 表面温度が上がりにくい白色の服を選ぶ

参考元:熱中症予防に効果的な服の色は?表面温度は20℃の差 – ウェザーニュース

また、日焼けも度を越すと深刻な事態になる可能性もありますので、服装や日焼け止めなどでの対策もしましょう。

想定外の冷え込みに備える

平地のキャンプ場は、夜になっても気温が下がりにくいですが、高原にあるキャンプ場は、真夏でも夜になると冷え込みます

寝るときにはまだ日中の暑さが残っていたとしても、深夜から朝方にかけては予想以上に気温が下がり、肌寒く感じることもあります。

早朝のキャンプ場

このため、下のように、急な冷え込みにも対応できるよう備えておきましょう。

  • 地面からの冷えを遮断するインフレータブルマットを用意する
  • 寒いときに羽織れる毛布やブランケットを用意する

食材の保管・食中毒に注意する

夏場に気をつけておかなければならない危険には、食中毒があります。

サンドイッチとサラダ

ほとんどのキャンプ場では、冷蔵庫などはありません。そのため、食材の保管方法についてはしっかりと考える必要があります

キャンプに行く人数と日数に適したサイズのクーラーボックスを用意し、氷や保冷剤などを使って保管しておくようにしましょう。

クーラーボックス

一般的なクーラーボックスの目安容量は以下のとおりです。

1泊2泊
ソロキャンプ10~15リットル15~20リットル
デュオキャンプ30リットル35リットル
ファミリーキャンプ
グループキャンプ
50リットル60リットル

なお、上記はあくまで目安なので、食材の量や人数に合わせて選ぶようにしてください。

アウトドアブランドのWAQでは、マルチに使いやすいソフトタイプのクーラーボックスを販売しています。

WAQ SOFT COOLERBOX

3層構造の断熱材で、保冷力を36時間しっかりとキープ。

WAQ SOFT COOLERBOX

ファスナーの開閉なしで中身の取り出しができるクイックアクセス機能付きで、使い勝手も抜群です。

クイックアクセス機能付きのWAQ SOFT COOLERBOX

キャンプシーンに合わせて選べる、2サイズをご用意しています。

  • ソロ〜デュオに最適な33リットルのSサイズ
  • ファミリーやグループにおすすめな42リットルのMサイズ
WAQ SOFT COOLERBOX Sサイズ
Sサイズ
WAQ SOFT COOLERBOX Mサイズ
Mサイズ

クーラーボックスの購入を検討している方は、この機会にぜひ公式ストアをチェックしてみてください。

また、キャンプ場で氷の補充ができないような場合は、買い込む食材を少量ずつにしたり、生モノを使用しないメニューを選んだりと、食材を傷めないための工夫が必要です。

冬キャンプに潜む危険

氷点下まで冷え込むこともある冬キャンプでは、寒さ対策が必須です。

ここでは、冬キャンプで注意しなければならない危険性について解説します。

寒さ対策はどこまでも厳重に

寒さ対策をきちんとしていなければ、低体温症など危険な事態に陥る可能性があります。

寝袋

そのため、服装や寝具類の寒さ対策は、どこまでやってもやり過ぎということはありません

「あたたかく通気性のよいアンダーウェアを着る」「重ね着で体温調整ができる服装にする」など、服装には十分注意しましょう。

また、寒さが厳しい中でなるべく快適に眠るためには、厚手の靴下を重ね履きしたり、寝袋の足元に湯たんぽを入れたりして、足元を暖かくしておくのもポイントです。

地面からの冷え込みは想像以上

地面から伝わる冷気は、思いのほか体温を奪います。

そのため、厚手のマットを敷いたりコットを使ったりして、地面から伝わる冷気をシャットアウトすることをおすすめします。

なお、アウトドアブランドのWAQでは、冬キャンプの寝床対策におすすめな、下記のアウトドア用寝具を販売しています。

WAQ インフレータブル式マット 8cm
WAQ RELAXING WIDE MAT(厚み10cm)シングル
WAQ RELAXING WIDE MAT(厚み10cm)ダブル
WAQ 2WAY フォールディングコット
WAQ 2WAY WIDE COT

上記のコットやキャンプマットは、地面から伝わる冷えを遮ってくれるので、冬キャンプでも快適な睡眠がとれます。

地面の凸凹も解消してくれるので、冬だけでなくオールシーズン活躍するアイテムです。

ご興味のある方は、ぜひこの機会に公式ストアをチェックしてみてください。

>>WAQ公式ストア「アウトドア用寝具」を見る

また、電源付きオートキャンプサイトを利用できる場合や、ポータブル電源を持っていける場合には、電気毛布や電気カーペットを使用するのもよいでしょう。

電気毛布

冬キャンプの寝床を作る際のポイントは以下で解説しています。

寝袋は、冬用のものを選ぶことも忘れないでください。

このとき、快適に眠れる温度の目安である「快適使用温度」や、使用できる限界温度の目安となる「限界使用温度」のチェックもしておきましょう。

「快適使用温度」「限界使用温度」の詳細については、下の記事で紹介しています。冬用寝袋の条件や、おすすめの形についてもお伝えしているので、あわせてご覧ください。

室内暖房は危険と隣り合わせ

冬キャンプで暖を取るためには、石油ストーブや薪ストーブを利用するのもおすすめです。

ただし、このような燃焼式の暖房器具をテント内で利用することは、前述したように一酸化炭素中毒などの危険と隣り合わせでもあります。

燃焼式の暖房器具をテント内で利用する場合には、しっかりと換気をしなければなりません。

ワンポールテントのベンチレーション

そのうえで、必ず一酸化炭素チェッカーを使用して、一酸化炭素濃度をチェックをすることを忘れないでください。

なお、薪ストーブなどをテント内で使用する際は、テントに煙突穴が設けられている専用のテントを利用するようにしましょう。

ワンポールテントとインストールした薪ストーブ

さらに、火災に対する備えも重要です。

とくに、TC素材などと比べて火に弱い化繊素材のテントでは、より注意が必要です。

火器がテントに近づきすぎて温度が上がりすぎてしまえば、それだけで生地が溶けたり燃えたりする可能性があります。

化繊素材のワンタッチテント

また、狭いテント内で火器を使用していると、ふとした拍子に倒れてしまい、思わぬ延焼につながる恐れもあります。

そうしたちょっとした手違いでテント生地に少しでも火がついてしまうと、あっという間にテント自体が燃え上がってしまう可能性もありますので、十分に注意してください。

アウトドアブランドのWAQでは、「火の粉に強いTC素材」「煙突穴が標準装備」されているワンポールテント「WAQ Alpha T/C SOLO DX 」を販売中です。

WAQ Alpha T/C SOLO DX

サイズは、300cm×300cm×180cmで、1〜2人での利用が可能です。

WAQ Alpha T/C SOLO DXは2人でも広々使える

フタマタポールもセットでついてくるので、テント内のデッドスペースを気にせずゆったりと過ごせますよ。

二又ポールを装備したWAQ Alpha T/C SOLO DXは

気になる方は、ぜひこの機会に公式ストアをチェックしてみてください。

ソロキャンプに潜む危険

1人でキャンプをするソロキャンプの場合、複数人でキャンプをするのとは違った危険性があります。

そこで、この章ではソロキャンプで考えられるさまざまな危険性をご紹介します。

テントサイトの盗難対策

複数人でキャンプをする場合と違って、1人でキャンプをしているとサイトを留守にすることが多くなります。

森林サイトに設営したワンポールテント

そのため、サイトから離れている間の盗難は、ソロキャンプをする以上避けてはとおれません。

長時間サイトを離れるときは、以下のような対策をおこないましょう。

  • 道具をテントの中にしまう
  • 盗まれやすい高価な道具は車の中にしまう

上記で挙げた対策は、夜間の就寝時も同様です。

長時間サイトを離れるのを防ぐためにも、キャンプ場にチェックインする前に、買い出しを済ませておくのもポイントです。

キャンプ場での防犯対策については、以下の記事で詳細をお伝えしています。

いざという時の事前対策

1人でキャンプをしている場合、ちょっとしたことでも重大な事件や事故につながることも少なくありません

このため、いざというときのために、次のような準備をしておくことが重要です。

  • 救急セットを用意する
  • 家族や知人に行き先を伝えておく
  • 近隣の医療施設を確認しておく
  • 管理人が常駐するキャンプ場を選ぶ
  • 避難経路の確認をしておく

こうした対策をあらかじめおこなっておくことで、事件や事故を未然に防げる可能性が高まります。

SNSの発信には注意する

キャンプ場に来ていることなど自身の行動をSNSに投稿すると、居場所が特定できてしまうことになります。

スマートフォンを操作する女性

これは、とくに女性1人のソロキャンプでは非常に危険な行為です。

旅行の予定などを投稿したために、自宅から遠く離れた場所にいることがバレてしまい、自宅が空き巣に入られたといった事件もあります。

参考元:大型連休中 空き巣のおそれ 旅行予定などのSNS発信に注意|NHK 北海道のニュース

「犯罪者に見られている」といった意識を持って、居場所が特定される、または留守がわかるような投稿は避けるようにしましょう。

女子ソロキャンプの防犯対策

ソロキャンプのなかでも、とくに女性が1人でキャンプに出かける場合には、細心の注意が必要です。

女子ソロキャンプをおこなう場合は、次のような点に注意するとよいでしょう。

  • 24時間管理人が常駐するキャンプ場を選ぶ
  • ファミリー層が多いキャンプ場を選ぶ
  • スマートフォンの電波が入るキャンプ場を選ぶ
  • 男性だけのグループではなくファミリーキャンパーの隣を選ぶ
  • 就寝時にはテントの入口に南京錠のような鍵をかける

こうした点にしっかりと注意を払い、しっかりと防御をすることも重要です。

あらゆる危険を排除してキャンプを楽しもう!

キャンプにはたくさんの楽しさがあるのと同時に、さまざまな考えもしない危険性があり、そうした危険一つひとつに対処することが、安全にキャンプを楽しむことにつながります。

本記事で紹介した内容を参考にして、自然のなかにある多くの危険性をできるだけ排除した、安全で快適なキャンプを楽しんでください。

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