焚き火の薪はどこで買う?安い調達方法と使い方、種類や量【徹底解説】

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焚き火を楽しむには、薪の用意が欠かせません。

そこで今回は、薪はどこで買うのが一番安く手に入れられるかといった調達方法をご紹介するとともに、薪の種類や特徴についてをご紹介します。

さらに、シチュエーション別の薪の選び方・必要な量・購入した薪の使い方などを解説しますので、キャンプで焚き火を楽しむ際の参考としてください。

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目次

一般的な薪の入手方法4選

キャンプ用の薪は、いろいろなところで購入できます。ここでは、誰でも手に入れやすい、調達ハードルの低いおすすめの購入先をご紹介します。

  • 方法1 キャンプ場
  • 方法2 キャンプ用品店
  • 方法3 ホームセンター
  • 方法4 通信販売

方法1 キャンプ場

もっとも効率的で手軽な調達方法。それは、行った先のキャンプ場で購入することです。

キャンプ場受付の際に購入すれば、わざわざ自宅から持っていく必要もなくその日使う分の薪が手に入ります。

この場合のメリットは、なによりも手軽なことです。なんといっても運搬の必要がないので、徒歩やツーリングキャンプの場合は、現地調達が最適です。

ただし、注意しなければならない点として、どのキャンプ場でも薪を販売しているわけではないということです。仮に薪の取り扱いがあるキャンプ場でも、数量に限りがある場合も少なくありません。

また、キャンプ場によって価格の差が大きいので、現地で調達したい場合は、あらかじめ電話やホームページなどで確認してください。

方法2 キャンプ用品店

キャンプ用品の専門店でも、焚き火用の薪を購入できます。

さすが専門店だけあってキャンプ用品店では、広葉樹・針葉樹・焚付用の細割薪(詳細は後述)など、さまざまな種類を用意している場合もあります。

価格も安定していますので、キャンプ前に立ち寄れる専門店があったら、一度のぞいてみるのもよいでしょう。

方法3 ホームセンター

最近はキャンプ用品コーナーを常設しているホームセンターも多く、バーベキュー用の木炭などと一緒に、薪も取り扱う店舗が増えてきました。

価格もキャンプ用品専門店と同程度の水準ですので、近所にホームセンターがある場合は、一度立ち寄ってみるのもおすすめです。

方法4 通信販売

Amazonや楽天市場など、大手販売サイトでもキャンプで使用する薪は取り扱っています。

ただし、実店舗で購入するよりも選択肢が広いため、値段や質の差が激しいというのはメリットにもデメリットにもなるでしょう。

また、通信販売で購入する場合は、送料がかかることも多く、ある程度まとまった量を購入したほうが安くあがります。まとめ買いしても、人によっては置き場所に困ってしまうかもしれません。

薪の安い調達方法4選

先に紹介した場所以外にも薪を扱っている場所はあります。おまけに安く手に入る場合も少なくありません。

ここでは、意外と知られていない薪を安く調達する方法をご紹介します。

方法1 森林組合

森林が多い地方には、森林所有者が集まって森林の保全や林業にかかわる事業を行う「森林組合」という組織を作っている場合があります。

この森林組合では、切り倒した原木の販売や、薪に加工したものを市場価格よりはるかに格安で販売している場合もありますので、チェックしておいて損はありません。

仮に直接薪の販売は行っていなくても、組合がおろしている薪を安く買える店舗を紹介してもらえたりする場合もあります。近くに森林組合がある方は、一度問い合わせてみると良いですよ。

方法2 薪販売専門店

寒い地方では、薪ストーブや暖炉用の薪を扱う専門店や、灯油などの燃料を取り扱う燃料店などがある場合もあります。

そうした店舗は、キャンプのようなレジャーとしての焚き火用薪ではなく、実際に寒さをしのぐ「生活燃料」としての薪販売を行っているため、販売価格も安いのが特徴です。

また、広葉樹・針葉樹でも複数の種類を用意していることもあるなど、木材の銘柄を選ぶこともできることも少なくないでしょう。

方法3 フリマアプリ

メルカリやラクマのようなフリマアプリでも、薪は頻繁に出品されます。

とくに、地元の個人取引アプリ「ジモティー」には、無料または格安で譲りますという情報がたくさん載っています。こまめにチェックすると、掘り出し物に出会えるかもしれませんよ。

方法4 ふるさと納税を利用する

安く手に入る方法ではありませんが、ちょっとした裏技的な調達方法が、ふるさと納税の利用です。

ふるさと納税とは、特定の自治体に寄付金として納税をする代わりに、寄付金の約3割分の返戻金がもらえるという国で定められた制度のことをいいます。

返礼品に焚き火用の薪を設定している自治体は全国にたくさんありますので、納税をしたついでに返戻金として薪をもらうことができます。

この制度を利用すれば、実質持ち出しがなし(手数料などを除く)で薪を手に入れることができますので、一度詳しく調べてみてはいかがでしょう。

薪を無料で手に入れる方法4選

薪を調達するにはなにがしかのお金が必要です。

しかし、どうせ燃やしてしまう薪に、そんなに高いお金を払っていられないというのは、多くのキャンパーにとっての本音ではないでしょうか。

そこで、薪を無料で手に入れられる可能性のある方法を紹介します。

ただし、それぞれの方法にはそれなりのリスクや注意点もありますのでご注意ください。

方法1 キャンプ地で拾う

森林型のキャンプ場などでは、周囲に落ちている枯れ枝を拾うという方法で、薪を無料で手に入れることができます。

ただし、自然保護の観点から、薪拾いを禁止しているキャンプ地もあります。事前に管理人などに確認するようにしましょう。

また、拾った薪が濡れていたり、まだ生木だったりすると、煙ばかりでてうまく火がつかない場合もあります。拾った薪をそのまま使う際には注意してください。

なお、生えている木の枝を折るのは、自然保護の観点でも、自然の恩恵をあずかるキャンパーのマナーの点でも絶対にやってはいけない行為です。


キャンプ場の中には、燃やしてはいけない有毒な樹木が生えている可能性があります。下の記事では、有毒な樹木について、画像付きで紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

>>焚き火で燃やしてはいけない木とは?身近に潜む2種類の危険な樹木も紹介

方法2 大工さんに廃材をもらう

知り合いに大工さんがいるような場合は、声をかけて廃材をもらうのも良い考えです。

建築であまった木材を処理するには、大工さんとしても産業廃棄物処理のお金がかかるので、無料でももらってくれる人がいるのなら、お互いにwin-winとなる可能性もあります。

ただし、建築用の廃材は、防腐・防水処理剤や接着剤などの薬品がついている場合もあります。薬品のついた木材を燃やすと有毒ガスを発する可能性もありますので、注意が必要です。

方法3 林業現場で声をかける

地方にでかけたときなどに、木材の伐採現場や林業現場などで丸太を積み上げている場所を見かけたら、譲ってもらえないかを聞いてみるのもありです。

仮にその場で譲ってもらえなかったとしても、安く手に入る場所を教えてもらえる可能性もあるので、一度聞いてみて損はないでしょう。

ただし、こうした場所に置いてある木材は、基本的に生木の丸太です。トラックなどの運搬手段と、適当なサイズに切ったあとに乾燥させていく場所が必要なので、少々ハードルは高めです。

方法4 自治体の伐採樹木情報をチェックする

自治体によっては森林を伐採する際、伐採した樹木処理のために一般に向けて「伐採樹木情報」という、無料配布の日程を公開している場合もあります。

こうした情報をこまめにチェックしておけば、大量の薪を無料で手にいれることもできるでしょう。

ただし、こちらも先にお伝えした「林業現場」と同様、生木の丸太であることがほとんどです。実際に手に入れた丸太を薪として利用するにはさまざまな手間をかけなければなりません。

焚き火用の薪の種類

キャンプの焚き火で利用される薪は、樹木の種類別に大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」があります。

それぞれに特徴があり、その特徴を理解しておくことで、より効率的に焚き火を楽しめます。ぜひ覚えておいてください。

長く燃える「広葉樹」

葉が人の手のひらのように大きく広がっている樹木は、「広葉樹」と呼ばれています。

広葉樹の特徴は、燃焼時間が長く強い熱量が得られることです。

その反面、火付はあまりよくなく、火力の調整も比較的難しいです。調理のために手っ取り早く焚き火をしたいという時より、じっくりと暖を取りながら夜の時間を焚き火でのんびり楽しみたい時に向いています。

代表的な広葉樹は、次のとおりです。

種類特徴
楢(ナラ)・火持ちがよく火力が高い
・薪ストーブなどの燃料に向いている
・灰の量も少なく、焚き火用の薪として使いやすい
椚(クヌギ)・堅く重量がある火が長時間持つ
・価格は薪の中では高い部類に入る
・真冬に火を絶やしたくない時に向いている
樫(カシ)・堅く重量感がある
・薪の王様とも呼ばれるだけあり、ポピュラーで使いやすい
・火力&火持ち共に申し分なく、煙の量も少ない
・薪割りは少し大変
欅(ケヤキ)・堅く目が詰まっており、火持ちが良い
・お香を焚いたような独特の香りがするので、リッチな気分になれる
・非常に硬く薪割りには慣れが必要
・初心者には不向き
桜(サクラ)・ナラやカシと比べると、火持ちは多少劣る
・燃えると独特の甘い香りがする。燻製用チップとしてもよく利用される
・焚き火で肉を焼いたり、燻製香をつけて料理としたいときなどにおすすめ

木の種類によって、向き不向きや楽しみ方があります。

焚き火をする目的やどのように楽しみたいかで使い分けてみると、焚き火の面白さをより一層追求できますよ。

火付けがかんたんな「針葉樹」

葉の形が針のようにとがり、木自体も比較的細いのが「針葉樹」の特徴です。

針葉樹は火付きがよいため、焚き火用の薪としては非常に使いやすいといった特徴を持っています。

さらに、木自体に樹液が多く含まれているため、よく燃えます。焚き火にくべた薪の本数で火力が調整しやすく、調理用の熱源として使うにも最適です。

また、広葉樹に比べて木の密度が比較的低いため、薪割りもしやすいのは初心者向けですが、すぐに燃え尽きてしまうため、ひんぱんに薪をくべていなければならないのは少々面倒かもしれません。

代表的な針葉樹は次のとおりです。

種類特徴
杉(スギ)・火付きがよく火力も強い
・やわらかく割りやすい
・価格も安めなので、初心者におすすめ
・水分を多く含んでいるため、使用時には焚き火の周囲に置いて乾かす工夫がいる
松(マツ)・油分がたくさんあり、多くの場合皮が着いているため非常に火付きがよい
・火力も強く調理に向いている
・ススが出やすいので取り扱いに注意
檜(ヒノキ)・乾燥が早く火付きがよいので扱いやすい
・燃焼効率が良い
・火持ちはいまいちなので、のんびりと焚き火を楽しむには少々不向き

薪と炭の違いとは?

薪は、木をそのまま切り分けたもので、形は変わろうと生の木であることは変わりません。

一方、炭は、木材を専用の窯でじっくりと蒸し焼きにして炭化させたものです。余計な水分が抜けきり密度も詰まった別のものに生まれ変わっているといってよいでしょう。

それぞれの特徴をかんたんにまとめると、次のとおりです。

火付き早い・かんたん遅い・大変
火力普通・安定しずらい強・安定しやすい
火持ち短い(針葉樹)・普通(広葉樹)長い
使用目的焚き火・薪ストーブや暖炉の燃料・カマド調理調理(バーベキューなど)
価格500円~1000円/1束500円~2000円/3kg

薪や炭の種類、質、メーカーなどによって異なります

薪を使う焚き火台と、炭を使うバーベキューなどのコンロは、似ているようでもともとの使用目的が違います。

どちらにも兼用できる製品もありますが、多くの場合は別のものとなっていますので、焚き火台で炭も使いたいと考えている場合などは注意が必要です。

焚き火用薪の選び方・必要な量・種類【シチュエーション別】

燃焼時間の違う広葉樹と針葉樹ですが、基本的には用途や使用方法によって使い分けることが理想です。

そこでここでは、実際にキャンプで焚き火をする際に、どんな薪を選び、どの程度の量を用意すればよいのかを、シチュエーション別にご紹介します。

ソロキャンプグループキャンプ
(4人想定)
調理なし・広葉樹メイン
・1kg/1時間
・広葉樹メイン
・2kg/1時間
調理あり・針葉樹メイン
・2kg/1時間
・針葉樹メイン
・3kg/調理時間
(火力確保に2kg/1時間&広葉樹もあると◎)

多くの場合、1時間で1kgの薪を用意するというのが基本です。

とはいえ、使い方によって大きく変わりますので、ご自身のキャンプスタイルにもっとも近いシチュエーションを参考としてください。

ソロキャンプで「焚き火のみ」を楽しむ場合

ソロキャンプで、調理自体はガスコンロなど他の調理手段を使い、焚き火はそれ単体をじっくりと楽しむ場合には、広葉樹の薪を利用するのがおすすめです。

「最初に焚き火台に2~3本の薪を並べ、火力が弱まってきたら1本ずつくべていく」というスタイルであれば、基本の1時間に1kgの薪消費で十分ですので、楽しむ時間×1kgの量を用意すれば問題ありません。

ただし、風の強い日や、厳冬期でとにかく焚き火で積極的に暖を取りたいような日であれば、心持ち多めの薪を用意しておくとよいでしょう。

ソロキャンプで「調理+焚き火」を行う場合

ソロキャンプで焚き火を楽しみながらスキレットや鉄板などを使って、焚き火調理を一緒に楽しみたい場合は、火力調整が容易な針葉樹がおすすめです。

調理時は薪の本数によって火力を調整できますが、ある程度の火力を得るためには1時間に2kgほどの薪が必要となるでしょう。

可能であれば、調理に要する時間×2kgの針葉樹薪を利用して、それ以外の時間は1kg/時間の広葉樹を用意すると、コスト的にも手間的にもより効率的な焚き火が楽しめます。

4人のグループキャンプで「焚き火のみ」を楽しむ場合

友達同士やファミリーなど4人程度のグループキャンプの場合でも、調理はせず焚き火のみをじっくり楽しみたい場合には、広葉樹の薪がおすすめです。

ただし、ソロキャンプの場合よりは焚き火台自体も少し大きめのものとなるでしょうし、焚き火も少し盛大に燃やしたいと思います。

この場合であれば、ソロキャンプの倍、1時間に約2kgの薪量を用意しておくことをおすすめします。

4人のグループキャンプで「調理+焚き火」を行う場合

4人程度のグループキャンプで、スキレットや鉄板でバーベキューのように調理を楽しむ場合には、調理時間×3kgの針葉樹薪を用意するとよいでしょう。

ただし、針葉樹薪は火持ちが悪く、調理時以外もある程度の火力を確保しようと思ったら、頻繁に薪をくべ続けなければならないため、できれば2kg/時間の広葉樹薪も同時に用意することをおすすめします。

なお、同じ焚き火調理でも、ダッチオーブンなどでじっくりと煮込み料理などを作りたい場合は、細かな火力調整よりは長持ちする火が必要となります。

この場合は、針葉樹ではなく広葉樹の薪に変えて、おき火(薪に火が回って炭のようになった状態)をうまく使うようにすることをおすすめします。

参考:使いやすい薪のサイズとは

焚き火用の薪を用意する場合、どの程度のサイズの薪を用意すればよいのでしょう。

結論からいえば、手持ちの焚き火台のサイズにあう薪を用意するのが正解です。

小型の焚き火台や薪ストーブなら30〜35cm中・大型なら35〜45cmの薪までは対応可能なことが多いです。

一般的にキャンプ用品店やホームセンターで手に入れられる薪は、30~40cm程度のものが大半です。キャンプ場などで薪を購入する場合は、それより長いサイズのものも少なくないでしょう。

枠のないオープンスタイルの焚き火台であれば、少々サイズが合わない薪でも使えます。

しかし、薪ストーブのような箱型のものや炭コンロと兼用のもの、あるいはソロ用のウッドストーブのような小型の焚き火台では、サイズを合わせた薪を用意しなければなりません。

その場合は、適当なサイズに切り分けたり折ったりしてから使うようにしましょう。

購入した薪の使い方

いろいろな種類がある薪ですが、基本的な使い方は大きく変わりません。

ここでは、焚き火をする際の手順に合わせて、薪の扱い方を紹介します。

それぞれの場面であったほうがよいギアについてもご紹介していますので、合わせてご参考としてください。

薪を割る

購入した薪は、多くの場合太めのサイズにしか割ってありません。

そこで、まずは使用目的に合わせた太さに、薪を割ることが必要となります。

用意する薪の太さは、次の3種類を用意しておけば安心です。

焚き付け用最初に火付けをするために使う薪。直径1~2cm程度の細いものを用意する。
火の調整用最初の火が起こったら、その火を大きくするためや、調理中に火力を調整するために使う薪。直径5cm程度の太さのものを用意する。
焚き火の維持用焚き火を維持し、長い時間火力が持つようにする薪。直径約10cm程度の太めのものを用意する。

薪の割り方は、ナイフで割る「バトニング」と、手斧を使って割る方法に分けられます。

バトニング

割りたい薪にナイフをあてて、その背を他の薪などの堅いもので叩くことによって薪を割っていく方法を「バトニング」といいます。

この方法であれば、比較的細めの薪まで割っていくことができるので、初心者にもおすすめの方法です。

バトニングを行う際には、次のアイテムがあると便利です。

フルタング製のナイフバトニングに向いたナイフは、フルタング製と呼ばれる柄の部分までが1本の刃でつながったナイフです。刃にある程度厚みのあるもののほうが、割り進めていった時にクサビの役割を果たしてくれるのでうまく薪が割れます
薪割り台薪をしっかりと地面に固定しておかなければ、強い力でナイフを叩くバトニングはできません。専用の薪割り台などを用意すると、薪がずれることなく安心して作業できます
革手袋滑り止めのない軍手は、作業中に滑ってしまい怪我をするなど危険です。刃物を扱う際は、必ず皮手袋を利用してください

手斧で割る

別名をハチェットともいう手斧は、薪割り用のギアとしては非常に優秀です。

扱いに多少の慣れは必要となりますが、バトニングでは太刀打ちできない堅い広葉樹の薪なども、比較的容易に割ることができます。

ただし、薪を立てて思い切り振り下ろすと危険ですので、薪割り台の上に薪を横にして置き、そのサイドに斧の刃先をあて、斧と薪を一緒に振り下ろすようにすると安全です。

薪を切る・折る

手に入れた薪の長さが、手持ちの焚き火台に合わないほど長かった場合は、適当なサイズに切る、または折らなければなりません。

薪を切る場合には、折りたたみ式の木工用のこぎりがあると便利でしょう。

また、小型のファイヤーストーブなどに使う小割りの木であれば、背の部分に薪を折る用の小型斧などをうまく使って折ることもできます。

薪を乾かす

一般的な「薪」として販売されている製品を買った場合は問題ありませんが、先述したような林業現場や自治体の伐採配布で手に入れたものなどは、そもそも薪の状態になっていないことがほとんどです。

切り倒しただけの生木は、水分が大量に含まれているため、火をつけても火力がうまく上がらず、水分が蒸発する際に大量の煙ばかりが発生して、うまく焚き火ができません。

そのため、丸太として手に入れた木を薪にするには、なんと1~2年も乾燥させないといけないのです。

庭やベランダに専用のラックを置いて、そのまま最低でも1年程度は放置しておかなければならないため、都会のマンション暮らしの場合などは、現実的に生木から薪を作るのは不可能といってよいでしょう。

市販の薪ではこんな手順は必要ありませんので、やはり初心者が焚き火用の薪を手に入れるには、少々のお金を払ってでもショップやキャンプ場で購入することをおすすめします。

焚き火をする

適切なサイズの薪が用意できたら、いよいよ焚き火をします。

焚き火をする際の薪は、地面の水分を吸わないように、できるだけ地べたに置かないように注意しましょう。

また、特に雨の日や少し湿った薪を使う場合などは、焚き火の火が燃え移らない程度の近さに薪を並べておくと、焚き火の熱で次に使う薪を乾かすことができ便利です。

焚き火の用意をする際には、次のようなギアがあると便利なだけでなく、キャンプサイトがスタイリッシュになりますよ。

薪バッグ丈夫で大きめの帆布製トートバッグや、大きめの缶を薪専用のバッグとして用意しておけば、運搬の際も焚き火中の保管の際も便利に使えます
薪ラック薪を直接地面に置かないためにも、専用の薪ラックを用意するのがおすすめです

ちなみに、焚き火の際の薪の組み方にもそれなりのコツが必要です。

焚き火の詳しいやり方を含めた詳しい情報は、次の記事でも紹介していますので、合わせてご覧になってみてください。

>>【画像付き】焚き火の薪の組み方

薪の火付け方法

焚き火台に必要量の薪をくべたら着火作業を行いますが、この時に考えるべきは「焚き付け」をどうするかと、「着火方法」です。

ここでは、かんたんではありますが、焚き付けの種類といくつかの着火方法をご紹介します。

焚き付けを用意する

焚き付けとは、本体の薪に火が回りやすくなるように用意する、火のつきやすい素材のことです。

次のように、いろいろなものが焚き付けとして利用できます。

  • 焚き付け用小割り薪(スティック状)
  • フェザースティック
  • 麻ひも
  • 天然の着火剤
  • おがくず
  • チャークロス
  • 固形着火剤
  • ジェル状着火剤

それぞれメリット・デメリットがあります。ここでは、かんたんにご紹介します。

焚き付け用小割り薪(スティック状)

薪を割り箸程度の細さまで割った小割りの薪です。最近は、キャンプ用品店やホームセンターなどでも、焚き付け専用に細い薪だけをパッケージした製品も販売されています。

ちなみに、ソロ用の小型ファイヤーストーブなどであれば、この小割り薪だけで小さな焚き火が楽しめるでしょう。

フェザースティック

小割りの薪の先をフェザー(羽根)のようにナイフで毛羽立たせたものです。

毛羽の部分が細かく多いほど火がつきやすく、うまくフェザースティックが作れるとキャンパーから尊敬の眼差しを集めることができるかもしれませんよ。

麻ひも

麻ひもを細かくほぐしたものは、非常に火付きのよい焚き付けになってくれます。

ただし、すぐに燃え尽きてしまいますので、フェザースティックなど他の焚き付けに火を移すための焚き付けと割り切って、なにかと併用することをおすすめします。

新聞紙やダンボール、牛乳パックなどは火がつきやすいため焚き付けとして使えます。

新聞紙の場合は、着火しやすいようにねじって棒状にしてから使うのがおすすめです。

とはいえ、紙類はすぐに燃え尽きてしまったり、燃えカスが風に舞ってしまったりすることもあります。

焚き付けに使用する際は、風よけとなる陣幕を合わせて使うと良いです。

>>風よけに便利な「陣幕」の効果やメリット・デメリットを解説

天然の着火剤

松ぼっくりや落ち葉などは、天然の着火剤になります。

森林タイプのキャンプ場などで、それらのものが手に入る場合には、ぜひありがたく利用させていただきましょう。

ただし、雨の翌日などは落ち葉が濡れている場合もあり、煙ばかり出てうまく火がつかないこともありますので要注意です。

おがくず

木工作業の副産物として出るおがくずは、優秀な焚き付けになります。

最近は100円ショップなどでも、焚き付け用におがくずが販売されていますので、そうしたものを利用してもよいでしょう。

フェザースティック作りの時に失敗して切り落としてしまった削りカスも、おがくずとして立派に焚き付けにできますよ。

チャークロス

面の布を炭化させたものをチャークロスと呼びます。

チャークロスは小さな炎でもかんたんに着火ができ、紙のように一気に燃え尽きずじわじわと燃える火種となってくれますので、焚き付けとしても優秀です。

案外かんたんにDIYすることもできますので、キャンプ場での暇つぶしに作ってみてはいかがでしょうか。

固形着火剤

木製原料にワックスや油などの燃料を混ぜ合わせて固めた固形の着火剤は、もっとも手軽で火付けがしやすい焚き付けです。

旅館などの一人鍋で利用する固形燃料も、長時間燃えてくれますので焚き火の焚き付けにはもってこいです。

ジェル状着火剤

市販の着火剤は、主に固形とジェル状の2つに分かれています。ジェルタイプは着火スピードが早いのが特徴ですが、焚き火台にたれると跡が残ってしまう可能性があります。

また、引火性が非常に高いため、使用する場合には絶対に継ぎ足しはしないように注意してください。

着火方法

焚き付けを利用した場合、次に問題になるのが着火方法です。

ここでは、下記に記載の、焚き火の着火でよく用いられる方法を中心にご紹介します。

  • ファイヤースターター
  • マッチ
  • ライター
  • ガストーチ
  • 火打ち石

ファイヤースターター

別名をメタルマッチともいい、マグネシウムの棒をナイフなどの背でこすることで火花を飛び散らせます。

YouTubeなどでかっこよく火を熾している所を見たことがある人も多いとは思いますが、うまく火をつけるにはコツと慣れが必要です。

初心者が利用するときは念のためマッチやライターを用意しておくようにしましょう。

マッチ

普通のマッチでも構いませんが、アウトドアでの利用を念頭においた防水加工が施されたマッチを持っていると、突然の雨などで濡れたときでも安心です。

ライター

普通の100円ライターなどでも構いませんが、キャンプで使うには先の長いタイプのものが使いやすいでしょう。キャンプ用専用品では、ガス注入式で繰り返し使えるものも販売されています。

ガストーチ

カセットボンベ(CB缶)などの先にセットして、ガスバーナーとして利用できるコンパクトガストーチです。

焚き付けなど用意せず、ある程度太めの薪を最初からくべたとしても一発で着火できます。焚き火の着火における風情はありませんが、できるだけ楽に火付けをしたいキャンパーにはおすすめです。

火打ち石

日本古来の着火具・火打ち石も、焚き火の着火に使えます。ただし、チャークロスやおがくずなどの火がつきやすい焚き付けと組み合わせ、かなりの慣れを必要としますので、どうしても着火方法にこだわりたい上級者用といえるでしょう。

焚き火後の薪の処理方法【3ステップ】

焚き火は、安全に消火まで見届けてようやく完了します。

寒いからやめんどくさいからとそのまま放置すると、風で火の粉が飛ばされて火事につながる恐れもあります。火をつけたまま寝てしまったりしないよう、必ず最後まで面倒を見てこそキャンパーといえるでしょう。

ここでは、薪の処理方法について大まかな流れを紹介します。

ステップ1 完全に鎮火するまで待つ

焚き火の火が残ったままテントに潜り込まず、完全に鎮火するまで待つためには、寝る少し前に新しい薪の追加をやめることが重要です。

「ボチボチ寝ようかな」と思ったら、薪を細かく組み替えながら薪全体に火が回るようにして、少しでも早く燃え尽きるようにしてください。

火吹き棒や携帯扇風機で空気を送り続け、火力を上げて薪を燃え尽きさせるのも1つの方法です。

ステップ2 炭用火消し壺を使う

どうしてもすぐに消化したい場合などは、炭用の火消し壺を使うのもよいでしょう。

燃えきっていない大きめの薪を拾って壺に入れ、フタをして酸素を遮断すると、そのまま放っておいても勝手に消火してくれます。

拾いきれない細かい薪は、風を送って燃やしてしまいましょう。

ステップ3 水をかけて消火するのは避ける

すぐに火を消したいからといって、水をかけて消火するのは避けましょう。

信じられないくらいの灰と煙が舞い上がり、テントやテーブルなどあらゆるものが灰だらけになってしまいます。

薪の調達や扱い方をマスターして焚き火を楽しもう

薪を安く手に入れられる方法はいろいろありますが、どれも一長一短で初心者にはハードルの高いものも少なくはありません。初心者キャンパーが焚き火用の薪を手に入れるなら、キャンプ場やお店で買うのが無難な選択でしょう。

また、焚き火はキャンプの醍醐味でもありますが、大きな火を扱うため危険と背中合わせの楽しみでもあります。

危険なものを扱っているという自覚を常に持ち続け、薪の特性を理解して安全な焚き火をすることが、ベテランキャンパーへの道ともいえるはずです。

今回の内容をぜひとも参考としていただき、スマートで安全な焚き火を楽しむ、模範的なキャンパーを目指してください。

なお、近年は直火での焚き火を禁止しているキャンプ場が多いため、焚き火台は必須アイテムです。以下の記事では、焚き火台を選ぶときのポイントを解説しているので、あわせてご覧ください。

>>焚き火台を選ぶときのポイント

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