バックパックのパッキング方法で、キャンプ場に着いてからの作業効率は大きく変わります。また、重心の位置に配慮した詰め方をしないと、体への負担が大きくなる可能性も。
バックパックで快適なソロキャンプを楽しみたいなら、「正しいパッキング方法」を身につけておきましょう!
本記事では、車・バイク・公共交通機関を使う徒歩キャンプ向けに、次のことを紹介します。
- パッキングの基本とポイント
- パッキング時の注意点
- キャンプ用バックパックの選び方
※バックパックを背負って、山の中を長距離歩くような登山キャンプは対象としていないので注意してください。
バックパックのパッキングの基本
まずはバックパックに詰めるときの基本を紹介します。1日の流れをイメージしながら、詰め込むのがコツです。
基本1 下段には「寝具などの軽くてかさばるもの」
下段には、「使用頻度の低いものや、キャンプ場に到着してから最後に使うもの」で「軽いもの」を詰めます。
例えば、シュラフや防寒着などが挙げられます。
とくにシュラフなどの寝具類は、1日の終わりに使うキャンプギアです。出番が遅いキャンプギアを上部に詰めると他のものが取り出しにくくなるので、下段に詰めるようにしましょう。
また、シュラフのようにやわらかいものを下段に入れると、背負ったとき腰に当たる部分がクッションになり運びやすくなるという大きなメリットもあります。
出番が少ないからといって、下段に「壊れやすいもの」を入れるのはNGです。
地面に置いたとき衝撃が加わると破損してしまう恐れがあります。
基本2 中段には「壊れやすい&重いもの」「着替え&タオル類」
バックパック中段には、クッカー・バーナー・ストーブなどの壊れやすいものや重いもの、洗面用具・着替えやタオル類など使用頻度がそこまで高くなく軽いものを入れます。
このとき、タオルや衣類などの軽いものは外側に、ストーブやスキレットなどの重たいものは背中側に配置するとバランスよく詰められます。重心が体に近い方が安定しやすく歩きやすくなりますよ。
クッカーなどはできる限りスタッキングして、コンパクトにまとめます。
もし夏キャンプでシュラフを持っていかない場合は、着替えやタオルは下段にいれるとよいでしょう。
基本3 上段には「頻繁に使うもの」「最初に使うもの」
移動時に頻繁に使うものや、キャンプ場に到着して最初に使うものは、バックパックの上段に入れていくのがおすすめです。
グランドシート・テント・タープ・モバイルバッテリー・救急セット・レインウェアなど
早めに使用するアイテムや頻繁に使うものは、取り出しやすいようにバックパック上段にパッキングしておくと、ゴソゴソと探し出す手間が省けて、効率よく作業ができるようになりますよ。
テントやタープはキャンプギアの中でもかさばりやすいアイテムです。
収まりが悪い場合は、「幕」と「ポール・ペグ」を別々に配置するのもよい方法です。その場合、「幕は下段」「ポール・ペグは中段の背中側」に入れるとバランスよく詰められるでしょう。
なお、どうしても容量が足りない場合は後述で紹介する「外付けする方法」もあるのでぜひ参考にしてください。
バックパックのパッキング 3つのポイント
たくさんのキャンプギアを上手にパッキングするなら、ここで紹介するポイントも押さえておきましょう。
ポイント1 機能を活用する
バックパックに「ポケット」や「ウェビング」などがあるなら、その機能を最大限に活用しましょう。
大きなポケットがついてる場合、カトラリー類やマグカップなどを収納すると、小休憩のときなどすぐ取り出せて便利です。
ウェビングがついているなら、ベルト(ストラップ)・カラビナ・ウェビングバックルなどを取り付けて、自由にカスタマイズできます。
外側に収納することで、中の容量も最大限に使えますよ。
ここからは、バックパックの機能を活用する具体例を紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
活用例1 ウェビング+ベルト(ストラップ)
ウェビングとベルト(ストラップ)を活用すると、バックパックの容量をかんたんに増やせます。
方法はとてもかんたん。長さを調節できるベルトを用意してウェビングに通し、外付けしたいものを取り付けるだけです。
ソロテントやタープがある場合は、バックパック下部に取り付けると、すぐ取り出せて設営時の効率がアップしますよ。
そのほか、アックスを取り付けて無骨な感じにしたり、ギアボックスを付けて収納を増やしたりもできます。
活用例2 ウェビング+カラビナ
バックパック上部や側面のウェビングにカラビナをつけて、ガイロープ・ランタン・シェラカップなどを引っかけるだけでも、拡張カスタマイズを楽しめます。
ただし、あまり多くのものを外付けすると、邪魔になって歩きにくくなることもあります。
とくに公共交通機関を利用する場合は周りに迷惑をかける可能性や、ギアの紛失・破損のリスクも。不安定となってしまい転倒するなど怪我につながるおそれもあるので、外付けする際には注意しましょう。
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活用例3:蓋部分にブランケットや銀マットをはさむ
蓋のあるバックパックなら、かさばりやすいブランケットや銀マットなどをはさんでパッキングするのがおすすめです。
バックパックを背負ったときに、頭に当たる部分がクッションになるため、当たっても痛くありません。
ポイント2 重心の位置とバランスを考える
パッキング時は「バックパックの重心がどのあたりにくるか」を意識しましょう。
重たいものをどこに配置するかによって重心が決まります。背中側のちょうど肩甲骨の下あたりにくるようにすると、重さをうまく分散できて、肩や腰に負担がかかりにくくなります。
また重心が偏ると片方の肩に負荷がかかって歩きにくくなったり、体を痛める原因になったりするので、左右バランスが均等になるように考えながら荷物を詰めていきましょう。
ポイント3 隙間をなくす
隙間があるとバックパックの容量を最大限に活かせません。おまけにバランスが崩れて不安定になりがちに。
袋に入れた丸い状態のシュラフを詰めて、バックパック内に隙間ができるのはよくあるパターンです。このような場合は、シュラフを袋から取り出して、バックパックの底に押し込むようにすると隙間なく詰め込めます。
収納袋を使って用途別に小分けにしすぎると、バックパック内にデッドスペースが生まれやすいので注意しましょう。タオルや服などは、雨で濡れる恐れがあるときを除いて、そのまま詰めていくと隙間を埋めやすくなりますよ。
キャンプ用バックパックの選び方
どのように荷物を詰めていくかも重要ですが、自分の体やキャンプスタイルに合ったバックパック選びもとても大切です。
ここからはバックパックを購入する際に見るべきポイントをお伝えするので、新たに購入を考えている方はぜひ参考にしてください。
選び方1 容量
寝袋やテントを持参するテント泊なのか、宿泊に必要なものが備わっているコテージ泊なのかなどによって、必要なバックパックの容量は異なります。
テント泊のソロキャンプに使用するなら、40〜60Lを目安に選ぶのがおすすめです。とくにキャンプに慣れていない初心者の場合は荷物が多くなりがちなので、50〜60Lだと安心。このくらいの容量があれば、荷物が多くなってしまっても対応できるでしょう。
コテージ泊の場合は、着替えなど身の回りに必要なアイテムが収納できるくらいの、25〜30Lあれば十分です。
ただし必要な荷物量には個人差があります。また宿泊日数が増える分荷物も多くなるので、これらも考慮して選びましょう。
選び方2 ショルダーストラップの形状・クッション性
バックパックのショルダーストラップは、クッション性があるものを選びましょう。荷物を詰め込んで重くなったとしても肩が痛くなりにくく、負担を和らげてくれます。
背負ったときに肩へのフィット感があるものがベスト。ショルダーストラップの形状は、平べったくて厚みがある形がおすすめです。
ショルダーストラップが細いと、肩に食い込んでしまい痛みがでます。太くてやわらかいものを選ぶと、荷物を詰め込んで重くなってしまっても肩に負担がかかりにくく安心できますよ。
もし使用中にクッション性が足りなく感じるなら、タオルをはさんだりして工夫しましょう。
選び方3 機能性
ウェビングやポケットがたくさんついている機能性の高いバックパックは、アイテムを整理しやすく、荷物が多くなったとき臨機応変に対応できます。
とくに荷物が多くなりがちな方は「ウェビングの有無」や「ポケットの数」を確認しておくとよいでしょう。
ポケットの数が多いほど細かなギアを整理しながら収納できます。小物アイテムが多い方にはおすすめです。ポケット部分はボタンタイプではなく、しっかりと閉められるファスナータイプだと安心。枝などに引っかかっても、ポケットの中身が落ちにくいので紛失を防げますよ。
ポケットの口はガバッと大きく開くものを選ぶと出し入れしやすく、パッキングしやすくなります。
なお、下部に中の荷物を取り出すためのファスナーがついていると、底部分に入れたものを取り出す際に便利です。
選び方4 防水機能の有無
キャンプには突然の雨がつきものです。とくにバイクや自転車、徒歩で移動する方は、「防水加工がされているか」「水に強い素材で作られているか」をしっかりと確認しておきましょう。
水に強い素材には、バリスティックナイロンやターポリンが挙げられます。生地の表や裏に防水加工が施されていると水が浸透しにくくなります。
なお縫い目やファスナー部分などの細部にまで防水加工が施されているものだと高い防水効果を期待でき、水が侵入するリスクを減らせますよ。
選び方5 耐久性
分厚めの耐久性の高い生地を選ぶと、ゴツゴツした石の上に置いたり木に引っかかったりしても破れる心配がありません。
反対に生地が薄く耐久性の低いものだと、石に擦れたり木の枝に引っかかったり、ペグなどの尖ったものを入れたりしたときに破れてしまう可能性があります。
ただし、生地が厚くなるほど重たくなるので、軽さを重視したい方は耐久性と重量のバランスを考えて選びましょう。
バックパックのパッキング方法を覚えてソロキャンプを楽しもう
今回紹介したバックパックパッキングの基本とポイントを押さえつつ、ウェビングなどを活用したオリジナルのパッキング方法を見つけていけば、さらに快適にキャンプを楽しめるはず。
テント泊の場合はバックパック下部にテントを取り付けたり、タープ泊ではハンモックを取り付けたりと、自分だけのパッキングを完成させてみましょう。