冬用テント(4シーズンテント)と夏用テント(3シーズンテント)の違いを解説

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「冬キャンプにチャレンジしてみたいけど、テントは夏に使ってたものでも大丈夫?」「そもそもテントに冬用・夏用ってあるの?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

氷点下になることもある冬キャンプでは、テントも冬仕様にしないと「寒くて眠れない」ということになりかねません。

そこで本記事では、冬用テントと夏用テントの違いをご紹介します。

  • 冬用テント(4シーズンテント)と夏用テント(3シーズンテント)の違い
  • 冬キャンプで想定されるシチュエーション
  • 冬用テントに必要とされる機能

アウトドアは季節の移り変わりを感じられることが醍醐味。それぞれの季節にそれぞれの良さがあり、冬キャンプも最高なものです。

これを読めば「冬用テント」についての基礎知識はバッチリ。冬キャンプデビューもすぐそこです!

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目次

冬用テント(4シーズンテント)と夏用テント(3シーズンテント)の違い

まずテントは、大きく2種類に分けられます。

  • 春・夏・秋・冬での使用を想定した「4シーズンテント」
  • 春・夏・秋での使用を想定した「3シーズンテント」

4シーズンテントは、冬も使用することを想定した上で作られています。一方、3シーズンテントは春〜秋の比較的過ごしやすい季節での使用を想定しているため、通気性を重視した作りになっているのが特徴です。

※以降、「4シーズンテント=冬用テント」「3シーズンテント=夏用テント」と記述。

「冬用テント」と「夏用テント」の違いには、次の3つが挙げられます。

  1. スカートの有無
  2. 素材の違い
  3. スノーフライ(フライシート)の有無

冬といえば「雪」や「低温」といった状況が想定されます。

寒さが厳しくなる過酷な環境下でも快適にキャンプ時間を過ごせるように、「冬用テント」にはさまざまな工夫が施されています。

1.スカートの有無

1つ目の違いは「スカート」の有無です。

「そもそもテントのスカートって何?」という方もいるのではないでしょうか。

「スカート」とは、外部からの冷気の侵入を防ぐために、テントの裾に取り付けられている布の部分のことです。

テントのスカート

冬用テントにはこのスカートがついています。スカートがあることで、テント下から侵入してくる冷気を防ぎ、テント内部の保温性を高められます

冬キャンプであればテント内で暖房器具を使うこともありますし、そもそも人の呼気や体温だけでもそれなりに暖かくはなります。しかし、冷気がガンガン入ってきてしまってはいつまでたっても温まりません。

テント内のストーブ

そこで、「スカート」によってテント下から入り込む冷気を防ぐのです。

なおテントスカートは通常ペグダウンをして設置しますが、積雪期であれば「雪を被せる」ことでも設置できます。

積雪期であれば、スカートなしのテントでも、「テント本体の裾に雪を被せる」ことで、スカートと同様の効果を得ることもできますよ。

2.素材の違い

冬用テントと夏用テント(3シーズンテント)では、そもそも使われている「素材」が異なります。

夏用テントには通気性を重視するためにポリエステルやナイロンが使用されていることがほとんどです。一方、冬用テントには耐寒性を備えるために「TC」や「コットン」などの、厚手の素材が使われています

「TC」は、ポリエステル65%・コットン35%を掛け合わせた素材のことです。「ポリコットン」と呼ばれることもあります。

冬用テントに使われることが多いポリエステルとコットンには、次のような特徴があります。

ポリエステルの特徴
  • しわになりにくい
  • 乾きが早い
  • 紫外線に強い
  • 軽い
コットンの特徴
  • 通気性・吸水性に優れている
  • 静電気が発生しにくい
  • 水を含むと膨張するため、雨を通しにくい

キャンプにおいて、TCやコットンの特筆すべき点は、「通気性」と「難燃性」の2つです。

通気性

「通気性」と聞くと、「え、風が通ると寒いのでは?」と思うかもしれません。なぜ冬キャンプにおいて「通気性」が必要なのか?を解説します。

まず、冬キャンプではテント内で薪ストーブや石油ストーブなどの「暖房器具」を使うことが多々あります。

高機能なウェアに身を包むなど保温性を高めるための寒さ対策を行ったとしても、空気が冷たいと、どうしても手や足など体の末端は冷えます。

末端が冷えると「心底温まる」ことがなかなかできません。なので、冬キャンプにおいて暖房器具は必須アイテムなのです。

とはいえ、テントのような閉鎖された空間でストーブなど燃料系の暖房器具を使う際には、「一酸化炭素中毒」のリスクが伴います

一酸化炭素中毒とは?

酸素が不足した環境下で、石油や薪などの炭素で構成されている燃料を燃やすと、不完全燃焼を起こして一酸化炭素(CO)が発生します。

一酸化炭素が体内に入ると酸素不足の状態になり、頭痛・吐き気・耳鳴りなどの中毒症状を引き起こします。最悪の場合だと命に関わるため大変危険です。

テント内の酸素が足りなくなると不完全燃焼を起こす

一酸化炭素は「無色・無臭・無味」のガスのため、発生していても気づきにくいです。なんだか頭が痛いと思っていたら、実は一酸化炭素中毒の初期症状だったというケースは多く見られます。

一酸化炭素中毒を防ぐためにも、空気の入れ替えをする「通気性」は、冬用テントにおいて必須になります。

難燃性

燃料系の暖房器具の使用には「火の粉が舞う」という難点もあります。

とくにテント内での「薪ストーブ」の利用時は注意が必要です。薪ストーブで炎が上がっている部分には囲いがありますが、薪を足す際などに火の粉が舞う可能性があります。

焚き火

また、冬キャンプといえば「焚き火」をする方も多いのではないでしょうか。

焚き火をするときは囲いはありません。つまり、火の粉は舞い放題になります。風向きによっては、その火の粉がすべてテント方向に向かうという可能性も……!

決して安くはないテント。キャンプ中に火の粉で穴が空いてしまったら、非日常を味わっている心地よい気分も台無しになってしまいます。空気も乾燥している冬キャンプでは焚き火の火の粉も要注意です。

また、最近では「TC素材」がさらに進化した「VC(バリューコットン)素材」というものも出てきています。構成素材はTC素材と同じですが、その割合を「ポリエステル40%・コットン60%」と変えることにより、より結露しにくく、風合いもアップさせた素材です。

3.スノーフライ(フライシート)の有無

フライシート

3つ目の違いは「スノーフライシート」の有無です。

そもそも「フライシート」とは、インナーテントの外側に張るシートのことで、風雨の侵入を軽減する目的で張るものです。インナーテントとの間に空気の層を作ることにより、インナーテントへの結露を軽減させます。

このフライシートの冬版が「スノーフライシート」です。

スノーフライシートの特徴は、次のとおりです。

  • 防水加工されていないため耐水性はない(通常のフライシートは防水加工がされている)
  • 通気性がある
  • 冬用テント同様に「スカート」がついており、地面との隙間を埋められる設計になっている
  • 出入り口がジッパーではなく、巾着袋のような紐で絞る形になっている(ジッパーだと凍結で動かなくなるリスクを回避するため)

名前に「スノー」とある通り、あくまでも「雪を防ぐ目的」のフライシートであり、雪山や厳冬期の冬山などで使うことを想定したものです。

ですので、無雪期の冬キャンプでは余程のことがなければ出番はありませんが、こんなものもあるということは知っておきましょう。

冬キャンプで想定される3つの悩み|シチュエーション別

冬キャンプの悩みシチュエーション別

ここでは「冬キャンプで想定される悩み」をシチュエーション別に紹介します。

冬キャンプにはまだ手を出せていないという人でも、「冬キャンプだとどのようなシチュエーションが発生し得るか?」のイメージがしやすくなると思います。

前項で解説した「冬テントと夏用テント(3シーズンテント)の違い」についての理解も深まるはずです。

悩み1 低温の影響

まずは、言わずもがなの「低温」。当然ですが、冬はやっぱり「寒い」です。

キャンプサイトの標高によって気温も大きく変わるものの、朝晩には氷点下になることも十分考えられます。

そんな気候下における天敵は、テント下から吹いてくる「隙間風」です。

設営したテント

テント下から吹く隙間風の厳しさを例えるなら、喫茶店などの入り口付近の席の、身震いするような寒さを想像するとわかりやすいです。

もう一度繰り返しますが、冬キャンプの朝晩は「寒い」です。予想以上に冷え込むこともありますので、街で感じる隙間風とはレベルが違うことを肝に銘じておきましょう。

悩み2 積雪の影響

雪中キャンプ

続いてのシチュエーションは「雪」。氷点下ともなれば「雪」が降ることは十分にあり得ます。

一面銀世界の凛とした光景には魅力がありますが、キャンプ中の積雪は大変なことも多いです。

たとえば、「設営に時間が掛かる」「地面が凍結していてペグが刺さらない」「テント内部の雪が溶けてびしょ濡れになる」などが挙げられます。

他にもいろいろと積雪ならではの「苦労」があるものです。冬キャンプでの雪は侮るなかれといえます。

悩み3 結露の発生

水滴

最後は「結露」です。結露予防は、快適なキャンプ時間を過ごす上でもとても大事なため、押さえておきましょう。

まず、そもそも「結露」とは何かをおさらいします。

結露とは?

「空気」というものは、高い気温のときほど多くの水蒸気を含むことができます。夏場の空気がジメジメしているのはこのためですね。

この暖かく水蒸気を多く含んだ空気が冷やされることで、飽和水蒸気量を超えた余分な水蒸気が水分に変わることを「結露」といいます。

つまり、テント内と外気温に「温度差」があることによって「結露」が発生するわけです。

結露は人の呼気だけでも発生します。さらに冬キャンプとなると、テント内で暖房器具を使いたいという人も多いのではないでしょうか。

そうなると、外気温との温度差は呼気だけのときよりもさらに大きくなるので、結露もより多く発生します。

あまりにも結露すると、テント内部にどんどん水滴がついてきて、そこに少しでも触れようものなら一瞬でウェアがびしょ濡れになります。

その他にも、結露の水滴がポタポタ落ちてきて寝袋などのアイテムが濡れたり、テント内の結露が凍って撤収作業が大変になったり。

さらにテントの内側についた結露が氷結するとテントの通気性が悪くなり、最悪の場合「酸欠」の恐れがありとても危険です。

結露が大量に発生したテント内は不快なだけでなく、後片付けも大変になる・酸欠の危険があるなどいいことがありません。

なお、下記の記事では、結露の予防方法や発生したときの対処法を紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

>>冬キャンプでの結露対策・対処法も紹介

冬用テントに必要な2つの機能

冬用テントに必要な機能

冬用テントに必要な機能は、「保温機能」と「換気機能」の2つです。この2つの機能の両立が、冬用テントには欠かせません。

それでは、各機能について詳しく解説します。

保温機能

冬用テントに保温機能が必要な理由は、外気温が低く寒さが厳しいためです。冬にキャンプをやるのだから「寒い」に決まっていますね。

さらにもう一言付け加えておくなら、キャンプ地などの状況によっては想像以上に冷え込むということでしょうか。

1〜2月の厳冬期であったり、キャンプサイトの標高が高かったりすると、朝晩の気温が零下になることもザラにありますし、天候が急に崩れて雨が降ると気温もさらに下がります。

アウトドアにおいては「零下になる」もしくは「一度体が冷えてしまう」と芯から冷える感覚があります。芯から冷えてしまうと、そのあと「暖を取り戻す」のはなかなかに時間が掛かるものです。

焚き火にあたったり熱いスープを飲んだり、外側&内側からとにかく「暖める努力」を続けなければ、もはや眠ることもままなりません。

そのため、テントの「保温機能」を高めるかは、冬キャンプにおいてまずもって大事なポイントになります。

換気機能

冬用テントでは、換気するためのベンチレーションや煙突穴などの「換気機能」も必須です。

テントに必要な換気機能は、主に以下の2つです。

  • ベンチレーション:テント上部に取り付けられた換気するための小窓
  • 煙突穴:テント内で薪ストーブを使う場合に、煙突を出すための穴

ベンチレーションは、下記写真のように、換気するために開けられた小窓のことです。

煙突穴は、テントの側面に設けられていることが多いです。

テントの換気機能を上手に活用することで、結露や一酸化炭素中毒の予防にもなります。

結露対策になる

テント内と外気温との差を極力なくすように、テント内の空気を換気することで、結露の発生を抑えられます。

冬用テントには、素材自体に通気性があることは説明した通りですが、それだけでは不十分です。ベンチレーションをあけるなど、しっかりと「換気」をしましょう

一酸化炭素中毒対策になる

テント内で石油ストーブや薪ストーブなどを使う際は、テント内の空気が「滞留」せず「対流」するようにしましょう。

確認すべき&意識すべきポイントは、次のとおりです。

  • 定期的にアラームなどを鳴らして意図的に換気をする
  • 薪ストーブを使う際は、煙突穴から煙突部分を出しておく(煙突穴がない場合は、テントのファスナー部分から煙突を出したり自分で煙突を出すための穴を開けたりする)
  • 就寝時はベンチレーションや入り口を半分開ける

就寝時に換気すると冷気が入ってくるので寒いですが、下からの隙間風はスカートでブロックできているはずです。

もしそれでも寒ければ、寝具やウェア側で保温の工夫をしてください。

冬キャンプでのテントにあると便利なアイテム

最後に、冬用テントを利用する際に知っておくと便利なものを2つ紹介します。

冬キャンプデビューを飾る前に、こんなものがある!ということを知識として入れておきましょう。

一酸化炭素中毒チェッカー

一酸化炭素の濃度をチェックできる「一酸化炭素中毒チェッカー」というものがあります。

一酸化炭素中毒チェッカーで常に状況(濃度)を可視化しておくことが大事です。

Amazonなどで購入できるため、まだ持っていない人は冬用テント購入時に合わせて「一酸化炭素中毒チェッカー」もそろえておくことをおすすめします。

薪ストーブの煙突が出せるインストール型テント

テント内で薪ストーブを使用することを想定し、煙突を出すための煙突穴が取り付けられているテントもあります。

なおアウトドアブランドのWAQでは、薪ストーブをインストールできる煙突穴つきのワンポールテント、「Alpha T/C SOLO DX」を販売しています。

Alpha T/C SOLO DX
  • 直径12cmの煙突穴つき
  • テント上部にはベンチレーターを2箇所設置
  • スカートも標準装備
  • 居住スペースが広がるフタマタポール仕様

煙突穴は耐熱処理を施しているため、高温になった煙突に触れて、テントが溶けたり燃えたりするなどのリスクも防げます。

Alpha T/C SOLO DX煙突穴

ベンチレーター付きなので、空気の入れ替えも可能。テント下の隙間風を防ぐスカートも標準装備です。

高さ180cmで二股ポール仕様のため、広々と快適に過ごせます。

Alpha T/C SOLO DX居住スペース

機能性抜群の仕様のため、快適な冬キャンプができることは間違いなしですよ。

WAQでは「30日間の返品・交換保証」「1年間のメーカー製品保証」を行なっております!この機会にぜひ公式サイトをチェックしてみてください。

>>「Alpha T/C SOLO DX」を見る

Alpha T/C SOLO DX
ブランドWAQ
カラータン
サイズフライシートサイズ(外寸):(約)W300cm × D300cm × H180cm
インナーテントサイズ:W290cm x D150cm x H170cm
収納サイズ:(約)W57×D22×H22cm
重量(付属品含む)(約)9.5kg
収容可能人数1人
材質ポリコットン(ポリエステル65%、綿35%))、アルミ合金
セット内容フライシート x 1
インナーテント x 1
メインポール x 1
サブポール x 2
コンプレッションベルト付きキャリーバッグ x 1
ロープ✕6本(4本はテントに取り付け済)
ペグ✕16本

冬用テントの違いを押さえて冬キャンプを存分に楽しもう

冬用のテントでは、テント下から入る冷気をガードするためのスカートや、通気性の良い素材であることが欠かせません。また、石油ストーブや薪ストーブを使う場合は一酸化炭素中毒のリスクなど、気をつけておくべきこともあります。テントの保温性と定期的な換気を心がけて、安全に楽しみましょう。

冬のキャンプを経験したことのない方にとっては、知らないが故に不安がつきものですが、しっかりと知識を学んだ上でチャレンジすれば、何も恐れることはありません。一歩踏み出してしまえば、その先には魅惑の世界があなたを待っているはず。

一味違うキャンプの魅力に、また触れてみませんか?

なお下記の記事では、冬キャンプで寝るときの寒さ対策について紹介しています。寒さの厳しくなる冬キャンプでは、万全な対策をしなければ、寒さのあまり眠れないことも珍しくありません。

底冷えを防ぐための寝床作りのポイントも解説しているので、ぜひご覧ください。

>>冬キャンプでの底冷えを防ぐ寝床作りのポイントを紹介

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