寒い中での冬キャンプは、外での焚き火や温かなテント内で食べるキャンプ飯など、醍醐味が盛りだくさん。
しかし、冬キャンパーを悩ませる大きな問題の一つが『結露』。朝起きたらテント内が濡れていたり、ポタポタ落ちる水滴……。
「そもそもなぜ結露が起こるの?」
「結露を防ぐ予防や対処法を知りたい!」
今回は、そんな冬のキャンパーを困らせる結露やその対策など、さまざまな観点から徹底的に解説していきます。
冬キャンプは結露と夜露に注意!
いったい「結露」と「夜露」はどのようなもので、どのような違いがあるのでしょうか?発生する原因も詳しく見ていきましょう。
「結露」と「夜露」の違い
結露と夜露どちらも「気温の変化によって空気や水蒸気が水滴化する」ことでおこる現象です。
しかし、結露と夜露には次のような違いがあります。
- 結露
-
就寝時などテント内の天井・壁面・キャンプ道具などに水蒸気が水滴化し発生
- 夜露
-
夜から明け方にかけて、テントの外表面やタープなどに水滴が発生
かんたんに言えば、結露は内側、夜露は外側につく水滴を指します。ではなぜ、結露や夜露ができるのでしょうか?その理由を見ていきましょう。
結露や夜露ができる理由
「結露」は、外の気温とテント内の気温の寒暖差が大きくなることで起こります。
あたたかい空気は、多くの水分を含んでいます。しかし、冷たい空気は少しの水分しか含むことができません。
そのため、あたたかい空気が冷たい空気に触れて冷やされると、同じ水分量を含むことができなくなり、追い出された水分たちが目に見える形で現れます。
とくに冬場のキャンプでは、暖房器具や人の呼吸、あたたかい食事をすることで気づかないうちにテント内の温度が上がってしまいます。
就寝時や暖房器具を使うことでテント内の温度が高くなり外との寒暖差が大きくなることで、テントの内側に結露がついてしまうというわけです。
たとえば家の場合だと、冬に暖房や加湿器をつけていると部屋の窓が水滴だらけになって今うのと同じ現象です。
一方「夜露」の場合は結露と逆で、外気が気化熱によって冷やされることで生じる現象です。夜露はテントの外側を濡らしてしまう大きな原因となります。
結露や夜露が発生すると困ること
「朝方目を覚ますと天井からポタポタと落ちてくる水滴……」このように結露や夜露の発生で困った経験のあるベテランキャンパーは多いもの。冬キャンプに慣れていないキャンパーからすると、想像がつきにくいかもしれません。
こちらでは、結露や夜露でキャンパーたちを困らせる「あるあるな出来事」をいくつかご紹介します。
びしょびしょに濡れると後片付けが大変
テントの素材にはさまざまなものが使われていますが、多くのものは結露や夜露など水滴がついてしまうと後片付けが大変です。
撥水加工のものだと水分をしっかり拭き取る必要があります。
撥水加工でない場合は、しっかり乾かさなければいけません。しかし、気温の低い冬は水分が蒸発しにくく乾きづらいもの。
テントが濡れたままだと、土がついたち葉っぱやゴミがくっついたりするので、片付けに手間がかかってしまい後片付けが大変になることも多々あります。
テントやキャンプアイテムが凍ることもある
冬場のキャンプは場所によって、気温が氷点下になることもしばしば。結露や夜露がつきやすい夜中から明け方はとくに気温が低い時間帯です。朝起きるとテントの内側や、外の表面がびっしり凍ってしまうことがあります。
また、テント内に置いているランタンやライターなどのキャンプアイテムが凍ってしまう可能性もあります。
なかには、スマホやタブレットなどの電子機器が濡れたり凍ったりするという事例もあるので注意が必要です。
カビが生えやすくなる
シットリ濡れたテントは、拭き取り作業や乾かすためには意外と時間と労力がかかるもの。
バタバタしがちなキャンプの朝に「少しぐらいはいいだろう」と放っておくと、湿った部分からカビが生えやすくなり、後々の手入れが厄介になる可能性もあります。
一度生えてしまったカビは、ニオイ(カビ臭)だけでなく変色や傷みの原因となり、テントの寿命を短くしかねません。
カビが発生するとキレイに取り切るのは難しいため、クリーニングなど専用業者に持っていかなくてはならない場合もあります。テントを長く愛用するためにも結露&夜露を発生させない工夫は需要です!
結露と夜露を防ぐ方法7つを紹介
結露と夜露の発生は冬キャンパーを悩ます非常に厄介な問題です。
そこで、困った結露・夜露を防ぐ方法と対策を7つ紹介します。
冬のキャンプを楽しむために事前に用意できること、またすぐに実践できる身近なものを使った方法などぜひ参考にしてください。
結露しにくい素材のテントを選ぶ
結露しにくいテントの素材は、コットン生地のテントです。
- 吸湿性がある
- 水分を吸って外側に発散する働きがある
- 耐久性が高い
- 保温性がある
とこのような性質からも、コットン生地のテントは冬のキャンプに優れていると言えるでしょう。風合いもコットンならではの、ナチュラルでおしゃれなデザインのものが多いのも魅力です。
ただしコットン生地のテントは、重いといったデメリットもあります。
「軽いテントがいいな」と思う方は、ポリコットン生地テントがおすすめです。
- ポリエステルとコットンが混ざった生地
- ポリエステルも配合されているため軽い
- 吸湿性もある
冬キャンプには「コットン生地」か「ポリコットン生地」のテントを持っていくのがおすすめです。
アウトドアブランドのWAQでは、ポリコットン素材を使った【ソロ用ティピテント】を販売しています。
- 冷気を防ぐスカート付き
- ベンチレーターは2箇所あるため換気も◎
- サイドフラップの跳ね上げ方で、3パターンのアレンジが楽しめる
1人用サイズながらも、ローコットがすっぽり入るサイズのため、快適にゆったりと過ごせます。
一緒についてくる収納袋は、他のアイテムがまとめて入れられるよう、ゆとりのある少し大きめサイズに設計されているのも嬉しいポイント!
結露しにくく、軽めのソロテントを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
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ダブルウォールテントを選ぶ
ダブルウォールテントとは、テントの作りが二重構造になっているテントを指します。
- 内側のテント
-
「インナーテント」と呼ばれる部分
- 外側のテント
-
「フライシート」と呼ばれる部分
靴を置いたり荷物を置いたりできる前室(土間)スペースとなる
フライシートの防水加工・二重構造による風通しの良さ・通気性によって、結露や夜露が発生しにくいのが特徴です。
一般のシングルウォールテントに比べると、ダブルウォールテントの方が結露が少ないといえます。
シングルウォールテントやリビング部分がフライシートしかないツールームテントを使用する場合は、テントの上からタープを張るなどの工夫をしてみるのが良いでしょう。
グランドシートを敷く
テントを設営する際に土に面した底部分に敷くシートのことを、グランドシートといいます。
耐久性・防水性に優れているので、テント自体を傷つけず浸水や湿気の侵入を防ぐことにより、結露対策が期待できる優れたキャンプアイテム。
グランドシートを選ぶ際は、テントの底部分より少し小さめを選ぶのがポイントです。
大きすぎるものや、テントの底部分からはみ出るものは、外側を伝って流れ落ちる夜露や水滴などが下に溜まりやすいので注意してください。
テントと同じメーカーの純正品だとサイズなどの間違いがないのでおすすめです。
グランドシートを敷いてさらには、テントの内側の底にインナーシートやフロアカーペットを敷くと地面のボコボコとした感触や、地面から伝わる湿気を緩和する効果も強まります。
テントを設営する場所を選ぶ
日本全国には、さまざまなキャンプ場があります。結露や夜露が特に発生しやすくなる冬のキャンプ時には、たくさんのキャンプ場から適切な場所を選ぶのもポイントのひとつです。
まず、標高の高いキャンプ場や水辺の近くは結露や夜露が出やすいということを知っておきましょう。
湖や川、海のほとりは特に湿気の多い場所であり、晴れた日などは日中と夜の気温差で夜露も降りやすくなります。また霧がかかる地面が湿っているような場所も湿気が多いので注意。
ただし朝日が当たる場所など日当たりの良い場所は、結露が発生してしまったとしても、テントを乾かしやすいといったメリットがあります。
どうしても水辺の近くしか設営できない場合でも、日中と夜の温度差が少ない場所を選ぶことで、結露や夜露を防ぐことにつながりますよ。
テントの中を換気する
冬のキャンプは暖房器具を使うことが多いので、テント内と外の寒暖差が大きくなり、湿気は暖かなテント内に溜まります。こもりがちな空気や湿気を換気し、外に放出するのも良い方法です。
どのように換気するのかというと、空気の出入り口を確保するだけでもOK。
テント内に搭載されているベンチレーター(換気窓)を開けておくと、溜まった水蒸気を外に出すことができます。
さらに、サーキュレーターを活用してテント内の空気を循環させることで、外とテント内の寒暖差が減るので結露対策に大変有効となるでしょう。就寝時にもなるべく換気をして寝るのがベストです。
寝るときはマスクをつける
人の呼吸(吐息)は水蒸気を含み、冬のテント内の温度や湿度をあげる原因のひとつとなります。そこで就寝時にマスクをつけて寝ることで、結露防止につながります。
ガーゼタイプや不織布タイプなどさまざまなマスクがありますがどのタイプでも問題はありません。
たくさん種類のあるマスクの中でもおすすめなのは、就寝時に呼吸するのに楽な肌密着のない立体タイプです。
また、ポケットがついてるタイプのマスクがあれば、シリカゲルなどの乾燥剤を入れると、さらに湿度対策に役立ちます。(乾燥剤を入れても喉や体調を害することはないのでご安心を)
マスクをつけて寝ると、顔部分もあたたかくなりますよ。
除湿剤グッズを活用する
湿気を直接取ってくれる除湿剤の使用も良い効果が期待できます。除湿剤にはいろいろな種類がありますが、そんな中でもクローゼット用の大判シートタイプがおすすめです。
大判シートタイプは、天日干しすることによって何度もくりかえし使えるものや、吸湿すると液体状になり使い捨てられるものなどあるので、お好みのものを選ぶといいでしょう。
何枚かをテント内に吊るすだけとかんたんな上に、吸湿効果も目に見えてわかるので使いやすく効率が良いのが魅力です。
他にも比較的値段もリーズナブルな、置くだけタイプの除湿剤などもあります。それを何個か組み合わせて設置するとダブルで湿気を吸い取ってくれるので、さらにおすすめな使い方です。
暖房器具を消して寝る、または温めながら寝る
結露や夜露は、テント内と外気温の寒暖差が大きくなることが原因で発生します。
キャンパーの中でも、
- テント内の気温を外気温に近づけるため、暖房器具を消して外気を取り入れながら寝る
- テント内を冷えないようにして暖房器具をつけっぱなしで寝る
は意見が分かれるところ。
ただし就寝時に燃料系ストーブを使うと、換気や不完全燃焼に気づきにくいため、一酸化炭素中毒事故につながる可能性も。
燃料系の暖房器具の場合は、寝るときには必ず消すことが鉄則!消した上で、ベンチレーターなどで換気し外気を取り入れつつ、毛布や寝袋でうまく暖をとりながら就寝すると結露もそれなりに防げます。ただし、外気温と近い温度になるため、凍てつく寒さになることも覚悟しておきましょう。
一方、電源サイトの場合は、一酸化炭素中毒の危険性がないセラミックヒーターなどの電気ヒーターをつけっぱなしにして、テント内部の空気を温めながら寝る方法もあります。ただし、就寝時に使用するため火事やヤケドなど、取り扱いには十分注意しなければいけません。
結露や夜露が発生したときの対処方法
前述したようにさまざまな対策をしていても、多少はどうしても発生してしまうこともあるのが結露や夜露の厄介なところ。しかし、そういう時のためにできる対処方法はいくつもありますのでご紹介します。いざというときに覚えておいて損はないですよ。
水滴をふき取る
まず1番重要なのは、水滴をしっかりふき取ること。水滴が残ると、凍結やカビが生える原因となります。
マイクロファイバー生地やナノファイバー生地など速乾性に優れたものや、コットン生地などの吸水性に優れたタオルがあると便利です。
しかし、結露がついたテント内を拭く時は水滴が伝ってぽたぽたと下に落ちることも多いもの。水濡れによる故障を防ぐために電気機器などは避けておきましょう。
ヒーターやストーブなどで乾かす
手作業でテントの水滴をふき取るだけでも結構な労力と時間がかかります。そこでヒーターやストーブを使って乾かすのも便利です。
換気には充分注意しながら、一気に温度を上げてしばらくあてておくと、いつの間にか結露が乾いていた、ということも少なくありません。しかしあまりにも外気温が低く、天候が悪い場合など逆効果になる場合もあるので注意してください。
太陽の光にあてて乾かす
結露と夜露は、夜から明け方にかけての寒暖差で発生しやすいため、朝起きたときに気づくことが多いもの。
もし天気が良く晴れている場合は、朝一番の朝日で、陽の光にあてて乾かすと乾燥までの時間が短縮できます。太陽光をあてることで、冬でも早く乾きますよ。
冬の雨天や曇天の場合はなかなか乾きにくいので、ふき取ったり暖房器具を当てて乾かすといった、前述の方法が良いでしょう。
まとめ
結露と夜露を防ぐ対策や、発生したときの対処法を詳しくご紹介していきました。
あらかじめ発生を防ぐ方法は、
- ダブルウォールテントやグランドシートの活用
- 設営する場所は水辺を避けて、日中と夜の気温差の少ない場所を選ぶ
- 換気とマスクの着用が水蒸気を発散させやすい
- テントやマスクに除湿剤を活用してみる
などがあげられます。
それでも発生してしまった場合は「しっかり水滴をふき取り、太陽光や暖房器具にあてて乾かす」ことを忘れないようにしましょう。
ぬくぬくのテントの中で、アツアツの食事や飲み物を楽しめるのは冬キャンプの醍醐味。今回ご紹介した結露と夜露対策でうまく予防&対処をしながら、冬キャンプの素敵な思い出を作りましょう。