ソロキャンプやファミリーキャンプに挑戦したいけど「テントを1人で立てるのは大変そう」「キャンプ用品にそこまでお金を使えない」と、はじめの一歩が踏み込めない方も多いもの。
そんな方におすすめなのが、手軽に使えて価格もリーズナブルな「ワンタッチテント」です。公園・海水浴・バーベキューなどのレジャーシーンをはじめ、キャンプにもぴったり。
ただし、宿泊で使いたいと考えている場合は、機能面をしっかり見極める必要があります。
今回は、
- ワンタッチテントの特徴
- ワンタッチテントのメリット&デメリット
- ワンタッチテントの注意点
- ワンタッチテントの選び方
について紹介します。
ワンタッチテントとは?


ワンタッチテントとはその名の通り、傘を開くようにワンタッチで設営できるテントのことです。
専門知識やテクニックがなくてもかんたんに設営できるため、テントを使ったことがない人にとってもハードルが低め。公園・海水浴・バーベキューなどの、さまざまなレジャーシーンで活躍します。
ワンタッチテントで宿泊することも可能ですが、機能面やサイズなど宿泊に適したモデルを選ぶ必要があります。
ワンタッチテント5つの特徴とメリット
ワンタッチテントの特徴は次の5つです。
- パーツが少ないシンプな設計
- 軽量で持ち運びもラク
- 1人でもかんたんに設置できる
- 価格が安い
- 部品を紛失しにくい
それでは詳しく解説します。
パーツが少ないシンプル設計
ワンタッチテントの多くが、折りたたみ傘のようにポールと生地が一体化しているシンプルな構造をしています。そのため、初心者の方でも迷わずにササッと組み立てられるのが特徴です。一般的なテントに比べてパーツが少ないため、初心者向きのテントです。
軽量で持ち運びもラク
他のテントと比べるとパーツが少ないため、一般的なテントより軽いのも特徴の1つです。折りたたむとコンパクトになるため、ツーリングなどの携帯性を重視するソロキャンプにもぴったり。
ピクニックや海水浴などのレジャーにも気軽に持っていけます。サンシェードや休憩場所として使いたい方におすすめです。
1人でもかんたんに設置できる


ワンタッチテントは名前のとおり「ワンタッチで設営できる簡易な構造」のため、ポールをさしたりする必要もなく、女性1人でもかんたんに設営できます。
ポールを通したりペグ打ちしたりなどの作業が必須のテントと比べると、テント設営にかかる労力と時間を圧倒的に減らせます。
価格が安い
ワンタッチテントはパーツが少ないため、リーズナブルなモデルも多め。お財布に優しいため、これからさまざまなキャンプアイテムをそろえたい人にとっては最大のメリットと言えるはず。
お手頃価格なため、お試しでキャンプをしてみたい方や、セカンドテントを考えている方にもおすすめです。
部品を紛失しにくい
一般的なテントは、1本でもポールを忘れてしまうと設営できません。その反面ワンタッチテントは、テント設営に必要な部品が一体化しているため、ポールやテントを忘れたり無くしたりする心配は無用。準備するアイテムも少ないため、忘れ物も防げます。
ワンタッチテントのデメリット5つ
つづいて、ワンタッチテントのデメリットを5つ紹介します。
- 雨や紫外線に弱い
- 使用目的をまちがうと快適性が劣る
- 結露しやすい
- パーツごとのメンテナンスがしにくい
- 破損しやすい・修理が難しい
それでは詳しく解説していきます。
雨や紫外線に弱い
ワンタッチテントは一般的なテントと比べると、機能性が若干劣ります。また、安価なワンタッチテントは、UV加工が施されていない・UVカット機能が低め、ということも珍しくありません。
また防水機能がついていないモデルも多く、雨が降りだすと水が染みてしまい、テントの劣化が早まる可能性があります。
直射日光のあたる場所で使う予定がある場合は、UVカットが施されているものを選んでおくと安心です。
突然の雨が心配な方は、防水性のあるシート(ブルーシートなど)をかぶせたり、テントの上にタープを設営したりなど工夫してみましょう。宿泊用におすすめな、耐水性の高いワンタッチテントも販売されています。
使用目的をまちがうと快適性が劣る
ワンタッチテントの中には、インナーテントにかぶせるフライシートがついていないシングルウォールタイプも販売されています。


フライシートがついていないため通気性が良く、テントの中でも涼しく過ごせます。
とくに、気温の上がる春〜夏に公園・海・河原などでの使用には最適。キャンプ以外のレジャーシーン(着替え・休憩スペース・荷物置き)に使うのもおすすめです。
ただし、シングルウォールは通気性が良い分、冬場に使うと寒すぎることもあります。
- 泊まり目的のキャンプで使うのか
- 日帰りのレジャーシーンで使うのか
- 耐水性は必要か
- 遮光やUVカットは必要か
上記のように、使用目的や使う季節にあったワンタッチテントを選ぶようにしましょう。
結露しやすい
先に述べた通り、ワンタッチテントにはシングルウォールのモデルが多くあります。このシングルウォールは、テント内に結露が発生しやすいというデメリットがあります。
結露が発生する要因の一つには、テント内と外の気温差があげられます。
テント内部は外に比べるとどうしても人の体温や吐く息によって温度や湿度が高くなります。そのため、テント内であたためられた空気が水滴に変化し、テント内に結露が発生します。
キャンプでは外気温の影響を直に受けるため、ダブルウォールのテントでも結露は発生するもの。しかし、生地が1枚だけのシングルウォールの方が結露しやすい傾向にあります。
結露が発生したときは、
- テントの内側についた水分はこまめに拭く
- 帰宅後の片付けではしっかり乾燥させる
などのお手入れすることを忘れずに。
結露が気になる方は、ダブルウォールタイプのワンタッチテントを選ぶことをおすすめします。


パーツごとのメンテナンスがしにくい
ポールと生地が一体化しているため部品ごとのメンテナンスがしにくいというデメリットがあります。
一般的なテントと違い「ポールだけ拭きたい」「生地だけ干したい」と思ったときに、融通が効きにくいという一面も。
破損しやすい・修理が難しい
折りたたみ傘のように必要最低限なパーツのみで作られているため、強度が弱いのもデメリットです。
生地とポールが一体化しているため、穴があいたりポールが折れたりしても、パーツのみ交換や修理に出すのが難しいケースもあります。
元々安価な製品も多いため、壊れてしまった場合は、新しいテントに買い替えるのがベターです。
くれぐれも壊れないよう、ていねいに扱うよう注意しましょう。
ワンタッチテントを選ぶときのポイントと注意点
買ったあとに後悔しないためにも、ワンタッチテントを選ぶときは、製品の機能や使用目的をチェックしておきましょう。
収納方法やたたみ方を確認しておく
ワンタッチテントは設営がかんたんでスピーディーな反面、片付ける際には手間取ることも多いもの。元の状態にたたむのが難しいことも珍しくありません。
収納バッグに入っていたときと同じようにたたまなければ、袋に入らないということもあります。
力任せに無理やり畳もうとすると、せっかくのテントが破損する可能性も。
メーカーやモデルの種類によってたたみ方は異なります。なかには、たたみ方が複雑で手こずるものもあります。
キャンプに行く前は、たたみ方などの収納方法もしっかり確認して、事前に練習しておくといいでしょう。
テントを保管するときは「加水分解」に注意!
ワンタッチテントの多くがポリウレタン素材を使用しています。
ポリウレタン素材を使用したテントは、保管方法を間違ってしまうと生地がベタつく「加水分解」という現象が起こる可能性があります。
加水分解の原因の多くは、
- テントに残った水分
- 保管場所の湿気
- 防水加工の劣化
によるもの。
テントの防水加工が経年劣化してしまうのは仕方のないこと。しかし、メンテナンスをしっかりすることで長持ちさせることはできます。
加水分解をなるべく予防するためには、キャンプから帰宅した後の片付けや、適切な保管場所・保管方法をしっかり守ることです。
下の記事では、テントの保管方法について詳しく解説しています。せっかくのテントを長持ちさせるためにも、ぜひあわせてご覧ください。


使用する人数をチェックする


ソロキャンプで使う場合は1〜2人用サイズを。ファミリーやグループキャンプで使う場合は、4〜人5用や6人以上の大型サイズなど、使用人数にあったサイズのものを選ぶようにしましょう。
目安の使用人数より小さいサイズだと、寝るためのスペースが十分に確保できず、窮屈に感じる原因となります。
また、5人以上などの使用人数が多いワンタッチテントは、収納サイズも大きめです。「思ったよりサイズが大きかった」「保管場所に困る」などといったことも起こり得ます。
使用人数に合わせたサイズか、必ずチェックしておきましょう。
防水加工・UV加工されているもの


防水加工が施されているものやダブルウォール構造のものは、悪天候に見舞われても雨漏りする可能性が低く、安心して過ごせます。
日差しがきつくなる春〜夏にかけて使用する場合は、紫外線カットのUV加工があるとテントの中で快適に過ごしやすくなりますよ。
宿泊の場合は、耐水圧高めを選ぶと安心
宿泊を目的とする場合は、突然の雨にも耐えられる、耐水圧の高いワンタッチテントを選びましょう。日差しがキツくなる夏場は、遮光加工されているものだと、日差しによるテント内の暑さも幾分ましになります。


空気を取り込むベンチレーターやメッシュスクリーンもあると、テント内の通気性が良くなり快適性もグンと上がります。メッシュスクリーンは虫よけにもなります。
テント本体が軽くシンプルな構造をしており、風に煽られたときに飛ばされやすいため、ペグ打ちでテントを固定することも忘れないようにしましょう。
使用シーン別の選び方
キャンプツーリングの場合


キャンプツーリングなど積載量に限りがある場合は、コンパクトに収納できる最小サイズのワンタッチテントがおすすめです。1人で使うのに必要最低限のスペースが確保できるものを選ぶと、バイクに乗せるときもコンパクトにまとめることができます。バイクも収納できる、キャンプツーリング向けの前室付きワンタッチテントも販売されています。
ソロキャンプの場合


準備から撤収作業まですべて1人で行うソロキャンプでは、大きいサイズのテントを選ぶと、設営や撤収作業が大変になることも……。
ソロキャプでは、大人1人が寝転んで少し余裕があるサイズ感のワンタッチテントがおすすめです。さらに前室付きのものを選ぶとゆったり過ごせますよ。
ファミリーキャンプの場合


ファミリーキャンプでは、人数分の睡眠スペースを十分に確保することが大切。また、急な悪天候にも耐えられるように、耐水圧のあるものを選びましょう。春〜夏にかけてはUVカット率が少しでも高いものにすると、より一層快適に過ごせますよ。
公園・ピクニック・運動会などのレジャーシーンの場合


宿泊を目的としない公園やピクニック、運動会などで日陰が欲しいときおすすめなのは、UV加工が施されているワンタッチテントがおすすめ。日除け・休憩スペース・荷物置きとして使えたら十分という場合は、最小サイズのコンパクトなものを選ぶと、持ち運びもしやすくなります。
まとめ
ワンタッチテントは、設営の手軽さやコストパフォーマンスが優れているのが魅力です。とりあえずお試しでキャンプに行ってみたい方や、キャンプ以外のレジャーシーンに活用したい方にとっても気軽に楽しめるテントです。
その反面、使うシーンや目的を間違うとデメリットを大きく感じることもあります。ワンタッチテントの購入を考えている方は、自分が求める機能やサイズ感などを明確にして、最適なワンタッチテントを探してみましょう。
下の記事では、ワンポールテント(モノポールテント・ティピーテント)やドームテントなど、ワンタッチテント以外にもおすすめな初心者向きテントをご紹介しています。購入する前にいろんなテントを見て決めたい、という方はぜひこちらの記事も参考にしてください。



